属の検索 (順序 A→B→C)
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(花序の形が特徴のあるもの) A 特徴のある花序
『ジュズダマ属、クリノイガ属、メリケンカルカヤ属、メガルカヤ属、オガルカヤ属、ウシクサ属、ツキイゲ属、ウキシバ属』 図と比べれば判定が可能とおもわれるので、まずここを見る。
(小穂の形が特徴のあるもの) B 特徴のある小穂
『ツクシガヤ属、イネ属、サヤヌカグサ属、コバンソウ属、カズノコグサ属、スズメノテッポウ属、アワガエリ属、 ヒエガエリ属、シラミシバ属、オオムギ属、ウサギノオ属、オヒゲシバ属、スズメノヒエ属、カラスムギ属』
図と比べれば判定が可能とおもわれるので、次にここを見る。
(対象植物のタイプ型を判断する) C 最初に上記 A B に該当しないことを確認後、下記表の「タイプ型」を選ぶ。
(タイプ型が不明の場合は、 D・E を参照してから型を決める。 D 花序の基本形状 、 E 小穂の基本形状 )
属の検索各論<06/09;追記2010/1>
◇1B型 B花序の基本形状;密集円錐花序(枝は短くやや不明)長芒や長毛など目立つ
C小穂の基本形状;各節に2(3)個の小穂が対になる
◆A密集円錐花序、長芒や長毛目立つ;各節に2〜3個の小穂が対になる
◆B花序全体が白長毛で被われる ;無芒
;2個対の小穂は長柄と短柄とがある
;[1小花+1頴(微小)+長苞]『チガヤ属Imperata』
◆B黄金色の芒と白黄渇軟毛が密な花序 ;長芒2本で、1本屈曲する;2個対の小穂は片方無柄である
(SOK、神奈川、本南部以南) ;[1小花+1頴+長苞]『イタチガヤ属Pogonatherum』【イタチガヤ】
◆B花序は長い芒があり、長い軟毛は無い;各小穂に2〜3本の長芒 ;総軸の節に3小穂が横並びにつく
;[1小花+短苞]『オオムギ属Hordeum』
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◇1C型 B花序の基本形状;総の花軸は小穂と同巾以上で直線的、小穂は軸に埋まること多い
C小穂の基本形状;各節に2個の小穂が対になる
◆A総軸は太く小穂と同巾以上で直線的;各節に2個の小穂が対になる
◆B小穂は花軸(総)の側面片側につく;小柄も太い
◆C小穂より短い第1頴があり、小穂の基部を抱くように巻く
◇総は単一;2個対の小穂は無柄と長柄 ;無芒
(SOTH帰、千葉、九など、栽培) ;[1小花+1頴+片苞短]『イヌシバ属Stenotaphrum』【イヌシバ】
◆C小穂より短い頴はない;[2小花+長苞]
◆D総は2本、互いに密着し1本に見える;2個対の小穂は短柄と長柄とある『カモノハシ属Ischaemum』
◆D総はやや掌状に5本以上 ;2個対の小穂は片方が無柄である;無芒
『アイアシ属Phacelurus』
◆D総は稈頂や葉腋に各1本;2個対の小穂は片方が無柄;無芒;有柄小穂は雄性で中軸の関節発達し折易い
(H帰、愛媛、琉球) (属の詳細未確認;[2小花?+長苞])『ツノアイアシ属Rottboellia』【ツノアイアシ】
◆B小穂のつき方は花軸の両側につく;2個対の小穂は無柄と長柄;[1小花+1頴+長苞]
◆C無芒;2個対の小穂は同形;総は稈頂と葉腋から出る;丈60cm以上の植物『ウシノシッペイ属Hemarthria』
◆C有芒;2個対の小穂は異形;各総は基部が鞘の中にある;葉の先はやや円形、円脚;丈40cm以下の小形の植物
(SOTK、関東以西)
『ウシクサ属Schizachyrium』【ウシクサ】
(ウシクサは、SはAndropogonメリケンカルカヤ属とするが、米倉2009を含む他は殆どSchizachyriumウシクサ属とする。大場2009はAndropogonウシクサ属としている)
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◇1D型 B花序の基本形状;総は稈頂に1本
C小穂の基本形状;各節に2(3)個の小穂が対になる
◆A総は稈頂に1本;各節に2〜3個の小穂が対になる
◆B総軸の節に3小穂が横並びにつく
;小穂より短い穎がある ;各小穂に2〜3本の長芒がある;[1小花+短苞]『オオムギ属Hordeum』
◆B総軸の節に無柄の2小穂が横並びにつく
◆C小穂より短い穎がある
◆D針形の頴(第1・2頴)があり1脈;有芒
;[1〜2小花+短苞]『アズマガヤ属Hystrix』
◆D第1・2穎は巾あり3脈以上ある;多くは芒がある;[3〜多小花+短苞]『エゾムギ属Elymus』
(沿海) ◆C第1・2穎は小穂と同長で短い頴はない;無芒;[3〜5小花+長苞]『テンキグサ属Leymus』【テンキグサ】
◆B2個対の小穂は柄の長さが異なる、横並びにはつかない
◆C小穂は花軸(総)の側面片側につく
◆D小穂より短い第1頴があり、小穂の基部を抱くように巻く;総軸は太く小穂より広い;無芒
(SOTH帰、千葉、九など、栽培) ;[1小花+1頴+片苞短]『イヌシバ属Stenotaphrum』【イヌシバ】
◆D小穂より短い頴はない;総は稈頂や葉腋に各1本;2個対の小穂は片方が無柄;無芒
;中軸の関節は発達し折れ易い
(H帰、愛媛、琉球) (属の詳細未確認;[2小花?+長苞])『ツノアイアシ属Rottboellia』【ツノアイアシ】
◆C小穂のつき方は花軸の両側につく;小穂より短い頴はない;2個対の小穂は片方無柄;[1小花+1頴+長苞]
◆D小穂基部に束生長毛あり、黄金色の芒と白黄渇軟毛が密な花序;長芒2本で、1本は屈曲する
(SOK、神奈川、本南部以南) 『イタチガヤ属Pogonatherum』【イタチガヤ】
◆D小穂に長毛なし
◆E無芒;対の小穂は同形;総は稈頂と葉腋から出る;丈60cm以上の植物『ウシノシッペイ属Hemarthria』
◆E有芒;対の小穂は異形;各総は基部が鞘の中にある;葉の先はやや円形、円脚;丈40cm以下の小形の植物
(SOTK、関東以西) 『ウシクサ属Schizachyrium』【ウシクサ】
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◇1E型 B花序の基本形状;総は掌状花序的
C小穂の基本形状;各節に2個の小穂が対になる
◆A総は掌状花序;各節に2個の小穂が対になる
◆B小穂は花軸(総)の側面片側につく;総軸は太く小穂と同巾以上;小柄も太い;[2小花+長苞]
◆C総は2本、互いに密着し1本に見える;対の2小穂は短柄と長柄とある『カモノハシ属Ischaemum』
◆C総はやや掌状に5本以上 ;対の2小穂は片方が無柄である;無芒
『アイアシ属Phacelurus』
◆B小穂は花軸(総)の下面片側につく;総軸は小穂巾より細い
◇小穂は披針形〜長楕円形、前後に平たく無芒
◆C護穎(多くは第3頴)中脈ははっきり見える;多くは小穂より短い頴がある
;[1小花+1頴+短苞];[1小花+1頴+片苞消失・微小]『メヒシバ属Digitaria』
(H帰)(属の概要解らず多分小穂2対)◆C護穎の中脈は殆ど見えず;小穂より短い頴なし
;[1小花+1頴+片苞退化・短?]『ツルメヒシバ属Axonopus』
◆B小穂は花軸の両側につく;[1小花+1頴+長苞]
◆C各総は単一で、基部が鞘の中にある
;対の2小穂は異形、片方無柄、共に芒捩れる;葉の先はやや円形、円脚;丈40cm以下の小形の植物
(SOTK、関東以西)
『ウシクサ属Schizachyrium』【ウシクサ】
◆C総は複数
◆D小穂の基毛は輪生し小穂より長い;対の2小穂は共に柄があり(長短)、共に芒がある(無芒もある)
『ススキ属Miscanthus』
◆D小穂の毛は小穂の半長以下;対の2小穂は、片方無柄である
◆E2小穂は異形(芒の有無);芒は基部まで細く頴は退化していて、無柄の小穂のみにあり
『オニササガヤ属Dichanthium』
(属の詳細はよく解らずヒメオニササガヤを参考に記述した;『モンツキガヤ属Bothriochloa』はオニササガヤ属と同じヒメアブラススキ連で、同じ掌状花序をもち外形はよく似ているが、詳細がわからない)
◆E2小穂は同型、ともに芒をもち、護穎の先が2裂し間から出る
◆F葉長線形、30cm以上;稈は基部から直立し太、丈70〜120cm;多年草『ウンヌケ属Eulalia』
◆F葉被針 、10cm以下;稈細く高さ80cm以下、下部は這い節から出根;小型の1年草
;苞穎1の中脈はない;芒は毛状(ヒメアシボソは無芒)『アシボソ属Microstegium』
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◇1F型 B花序の基本形状;総は多段になる
C小穂の基本形状;各節に2個の小穂が対になる
◆A総は多段になる;各節に2個の小穂が対になる
◆B小穂の基毛は輪生し小穂より長い
◆C小穂無芒;対の2小穂は、片方無柄である ;総の中軸は熟期に関節で折れ、節毎に切れ小穂脱落
;[1小花+1頴+長苞]『ワセオバナ属Saccharum』
◆C小穂有芒が多い;対の2小穂はともに柄がある(長短);総の中軸は熟期も関節で折れず、節毎に切断しない
;[1小花+1頴+長苞]『ススキ属Miscanthus』一部
◆B小穂の毛は小穂より長くない;小穂有芒;対の2小穂は、片方無柄である
;[2小花+長苞];[1小花+1頴+長苞]『オオアブラススキ属Spodiopogon』
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◇1G型 B花序の基本形状;円錐花序(花序枝の分岐は明瞭)
C小穂の基本形状;各節に2(3)個の小穂が対になる
◆A円錐花序(花序枝の分岐は明瞭);各節に2個の小穂が対になる
◆B対の2小穂は同形で、共に有芒 ;小柄逆円錐;護穎の先は2裂
;[2小花+長苞];[1小花+1頴+長苞]『オオアブラススキ属Spodiopogon』
◆B対の2小穂は形や性が異なり、無柄小穂に芒がある;護穎の先は無裂
◆C小穂は披針形;小柄は片側に毛1列 ;無柄小穂の第1苞穎は草質
;[1小花+1芒+長苞]『ヒメアブラススキ属Capillipedium』
◆C小穂は卵形 ;小柄は毛に被われる;無柄小穂の第1苞穎は革質
;[1小花+1頴+長苞]『モロコシ属Sorghum』
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《主な参考文献》
藤本義昭 1992.兵庫県帰化植物イネ科図譜,176pp.藤本植物研究所.
神奈川県植物誌調査会(編) 1989-.FLORA KANAGAWA 26〜 .神奈川県植物誌調査会.
神奈川県植物誌調査会(編) 2001.イネ科.神奈川県植物誌2001,pp.257-359.神奈川県立生命の星・地球博物館. (略記 K)
勝山輝男 木場英久 白井伸和 2003.イネ科.日本の帰化植物,pp.242-290.平凡社. (略記 H帰)
木村陽子 2003.イネ科.千葉県の自然誌 別編4 千葉県植物誌,pp.711-787.千葉県. (略記 T)
小山鐡夫 1964.イネ科.原色日本植物図鑑 草本編V,pp.301-388.保育社.
小山鐡夫ほか 1997.イネ科.朝日百科 植物の世界10・11,10:258-317,11:1-8.朝日新聞社.
森 茂弥 1988.イネ科.神奈川県植物誌1988,pp.226-317.神奈川県博物館.
大場秀章 2009.植物分類表,513pp.アボック社.
大井次三郎 1957.日本植物誌 顕花篇,1383pp.至文堂.
――――― 1982.イネ科.日本の野生植物 草本T単子葉類,pp.85-126.平凡社.
大井次三郎著 北川政夫改訂 1983.新日本植物誌 顕花篇,1716pp.至文堂.
長田武正 1972.日本帰化植物図鑑,254pp.北隆館.
―――― 1993.増補 日本イネ科植物図譜,776pp.平凡社. (略記 O)
白井伸和 2006.長野県のイネ科植物雑録.日本スゲの会講演用資料,10pp.
杉本順一 1973.日本草本植物総検索誌U単子葉編,630pp.井上書店. (略記 S)
千葉県植物誌資料編集同人(編) 1995-.千葉県植物誌資料 1〜.千葉県植物誌資料編集同人.
米倉浩司著 邑田仁監修 2009.高等植物分類表,189pp.北隆館. この頁top
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