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〔カヤツリグサ亜科Cyperoideae〕《広義カヤツリグサ属Cyperusの細分、ヒメクグ属Kyllingaを含む》<09/6/22,12/9/07更新>
◇鱗片2列◇花序は茎頂◇花被なし;柱基肥厚せず関節もない;鱗片多数、結実多数

A果は3稜形、柱頭3
 ◆B小穂はあまり扁平にならず円柱状、鱗片の背はやや鈍稜
  ◆C小穂は黄金色を帯び、長さ10〜15mm;熟期には小穂や小穂の軸(小軸)は残らない
   ◇関節は小穂の基部と各小花鱗片の基部にあり、小穂の軸(小軸)の途中からも脱落する
                                           (小穂がバラけ小花ごとに脱落する)ムツオレガヤツリ亜属Diclidium〕
  ◆C小穂は緑〜赤渇色、長さ4〜5mm;熟期には小穂や小穂の軸(小軸)は残らない
      ◇関節は小穂の基部のみにあり、小穂の軸(小軸)の途中が切れ落ちることはない(小穂はバラけない)

                                        〔イヌクグ亜属Mariscusの大部分
  ◆C小穂は淡黄渇色、長さ10〜40mm◇小穂の基部に関節はなく、熟期には小穂の軸(小軸)が花序枝上に残る
                                 〔狭義カヤツリグサ亜属Cyperusのシチトウイ
 ◆B小穂は扁平、鱗片の背は鋭稜〜やや鋭稜
    ◆C小穂の基部に関節があり、熟期には小穂ごとに脱落し小穂や小穂の軸(小軸)は残らない
              〔イヌクグ亜属Mariscusのオニクグ・アレチクグ・ユメノシマガヤツリ・コガネガヤツリ〕
   ◆C小穂の基部に関節はなく、熟期には小穂の軸(小軸)が花序枝上に残る
  ◇小穂は小花が中軸上に羽状2列に並び、鱗片の背稜は明瞭    狭義カヤツリグサ亜属Cyperusの大部分

A果は2〜偏3稜形、柱頭2と3が混ざる(柱頭3のものは小花やや螺旋傾向)
 ◇果は背腹(前後)に扁平、平坦面が小軸に接する
 ◇小穂の下部では、鱗片の背はやや円鈍形のため、小穂の下部はやや扁平にみえる(小穂上部では、はっきり扁平)

(この項は少し解り難い;果実は偏3稜形で、鈍稜の部分が鱗片側に接し、平坦部分が小軸側に接する。これは果実が3稜形のタイプでも同じ位置構造で、あくまでも果実が扁平なタイプでの検索キーに過ぎない。実際に小穂で判断すると、未成熟な時期や熟期の場合でも、小穂の上部ははっきり扁平で鱗片の背は鋭稜にみえ、熟期の小穂の下部の鱗片では背が円みを帯び円鈍形にみえる)


  ◇小穂は淡色;花序は中軸発達せず頭掌状で枝は0〜少数◇叢生する1年草 〔シロガヤツリ亜属Michelianiの大部分

A果は2稜形、柱頭2
 ◆B果は背腹(前後)に扁平、平坦面が小軸に接する

  ◆C小穂は淡色;花序は中軸発達せず頭掌状で枝は0〜少数◇叢生する1年草
                     シロガヤツリ亜属Michelianiアオガヤツリ、ニイガタガヤツリ
  ◆C小穂は赤渇〜帯褐色;花序は複散形、枝5〜8本
                 ◇匐枝のある多年草;鱗片は多数で花軸に剛毛がある〔ミズガヤツリ亜属Juncellus〕

 ◆B果は左右に扁平、稜側が小軸に接する◇小穂は扁平、鱗片の背は鋭稜
  ◆C小穂は帯渇色〜帯赤、鱗片は多い
                ◇熟期にも小軸は宿存する(小穂に関節がなく、小穂の軸(小軸)は花序枝上に残る)
                           〔イガガヤツリ亜属Pycreus(カワラスガナ亜属) 
  ◆C小穂は淡緑色;鱗片は4個で、頭状花序;結実するのは1花のみ
   ◇熟期に小軸は宿存せず(小穂の基部に関節があり、小穂の軸(小軸)も花序枝から脱落する)ヒメクグ属Kyllinga』
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参考検索2003『広義カヤツリグサ属Cyperus』(広義に捉えているため、細分した場合のキーを抜粋;Y)
◆A小穂の基部に関節をもち、成熟すると小穂の基から脱落する
◆B柱頭2、果は扁平;小穂は集まって球状の頭状花序となり緑色
『Y;ヒメクグ属』
◆B柱頭3、果は3稜;小穂は頂部から出た花軸につく
◆C小穂の小軸に関節がある;小穂は黄金色を帯びる;葉は稈の下方から出る
〔Y;ムツオレガヤツリ亜属〕
◆C小穂は基脚のみ関節があり、小軸は無関節;小穂は緑-赤渇色;葉は稈の基部に叢生する
〔Y;イヌクグ亜属〕

◆A小穂の基にも小軸にも関節はなく、花穎と果は小軸を残して熟すと個々に脱落する
◆B柱頭2、果は扁平
◆C中形でやや硬い;小穂(花穎)は通常2別列の背稜がある
◆D果は前後に扁平(扁平面が小軸に対面する)、果はやや円形で1.5mm程度;長い根茎がある ;花序は複生し、花軸に剛毛がある;花頴は2-2.5mmで鈍頭
〔Y;ミズガヤツリ亜属〕
◆D果は左右に扁平(果の稜が小軸と対面する)、果は小点があり、表皮細胞は正6角形;根茎はない 〔Y;イガガヤツリ亜属〕
◆C小型で軟らかい;小穂(花穎)の背側には稜はない
〔Y;シロガヤツリ亜属〕
◆B柱頭3、果は3稜
〔Y;狭義カヤツリグサ亜属〕
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参考検索2001『広義カヤツリグサ属Cyperus』
(亜属部分を抜粋;Y)
◆A痩果の横断面は3稜形で柱頭は3岐
◆B小穂の基部に関節が無く、熟すと痩果や鱗片が落ちて小穂の軸が残る〔カヤツリグサ亜属〕 
◆B小穂の基部に関節があり、熟すと小穂は軸ごと落ちる
◆C関節は小穂の基部のみにあり、小穂の軸の途中が切れ落ちることはない〔イヌクグ亜属〕
◆C関節は小穂の基部ばかりでなく鱗片の基部にもあり、小穂の軸の途中からも切れ落ちる〔ムツオレガヤツリ亜属〕

◆A痩果の横断面は普通レンズ形で柱頭は2岐、稀に3稜形で柱頭が3岐のものが混じる

◆B痩果は背腹に扁平(小軸に果実の面の部分が接する)
◆C1年草で叢生する〔シロガヤツリ亜属〕
◆C多年草で匐枝を引く〔ミズガヤツリ亜属〕
◆B痩果は左右に扁平(小軸に果実の稜の部分が接する)〔イガガヤツリ亜属〕
(参考;『ヒメクグ属』を『カヤツリグサ属』に含めておらず別に扱っている)
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参考検索1982『広義カヤツリグサ属Cyperus』
(広義に捉えているため、細分した場合のキーを抜粋;Y)
◆A柱頭は2個、果はレンズ形
◆B小穂はただ1花(1果)をつけ、淡緑色で、左右から扁平、長さ3-3.5mmで、茎の上端に密に集まって、 長さ5-12mmの頭状の花序をつくる;小穂は成熟すると基部から脱落する;小型の多年草で、根茎は横にはい、 やや相接して茎が出る
『Y;ヒメクグ属』
◆B小穂は多数の花をつけ、ふつうは赤褐色その他の色がつく
◆C果は腹背から扁平で、その面は小軸および鱗片の背に向く;花穂の中軸には剛毛状の小刺がある ;やや丈の高い多年草で、長い根茎がある
〔Y;ミズガヤツリ亜属〕
◆C果は左右から扁平で、その面は鱗片の両側にある;
〔Y;イガガヤツリ亜属〕

◆A柱頭は3個、果は3稜形または偏3稜形
◆B小穂は花穂の中軸上に羽状につく
◆C多年草で、短い根茎があるか、または基部に翌年の新芽をつける
◆D小穂は花穂の中軸に対して開出し、長さ4-5mm、黄緑色、1-2花をつけて、線状披針形、 密に中軸上に並んで、円柱形の花穂をつくる
〔Y;イヌクグ亜属〕
◆D小穂は多数の花をつけ、すくなくとも十分発達したものは長さ5mm以上
〔Y;カヤツリグサ亜属の一部〕
◆C1年草で、根茎はない(ヌマガヤツリを除き、多くは小型で、やややわらかい)
〔Y;カヤツリグサ亜属の一部〕
◆B小穂は束状または掌状に花穂の上端につき、花穂の中軸は発達しない;全体小型の1年草または多年草
◆C鱗片は暗血褐色または黒褐色、円頭で、徴凹端に終わり、突出しない;果は鱗片とほぼ同長で、帯褐色
〔Y;カヤツリグサ亜属の一部〕
◆C鱗片は淡緑色、または血赤色を帯び、果は鱗片よりも明らかに短くて淡白色または淡褐色
◆D小穂は明らかに扁平で、両縁は鱗片の背面に鋭い竜骨があるために鋭形となる
〔Y;カヤツリグサ亜属の一部〕
◆D小穂はやや扁平で、両縁は鈍い;鱗片は2列またはらせん状に並び、淡緑色、背面には鈍稜がある 〔Y;シロガヤツリ亜属〕
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参考検索1973『広義カヤツリグサ属Cyperus』
(広義に捉えているため、亜属部分を抜粋;Y)
◆A小穂の基部に関節を持ち果が熟すと小軸の基から脱落する
◆B柱頭2、果は扁平;小穂は小型で只1小花;集りて単球状の頭状花序となり緑色〔Kyllinga亜属
(Y;ヒメクグ属)
◆B柱頭3、果は3稜形
◆C小穂は基脚にのみ関節があり、小軸は無関節〔Mariscus亜属(イヌクグ亜属Y)》
◆C小穂の小軸の各小花間に関節あり;花序は複生し、枝は円柱状に小穂は密生;小穂は6-16小花〔Torulinium亜属
(Y;キンガヤツリ亜属)

◆A小穂は小軸にも基にも関節がなく、鱗片と果は小軸を残して熟すと個々に脱落する
◆B柱頭2、果は扁平;小穂は通常2別列の背稜あり
◆C果は前後に扁平、扁平面が小軸に対面〔Juncellus亜属
(Y;ミズガヤツリ亜属)
◆C果は左右扁平、果の稜が小軸と対面〔Pycreus亜属カワラスガナ亜属(Y;イガガヤツリ亜属)
◆B柱頭は2又は3で不定;小穂(頴)の背は稜なく丸い;小形の軟かい1年草;葉巾1-2mm;小穂白緑〔Dichostylis亜属
(Y;シロガヤツリ亜属)
◆B柱頭は常に3;果は3稜〔Cyperus亜属
(Y;狭義カヤツリグサ亜属)
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参考検索1972『広義カヤツリグサ属Cyperus』
(広義に捉えているため、細分した場合のキーを抜粋;Y)
◆A柱頭は2個;痩果は両凸形である
◆B果は背腹から扁平で、面は小軸に向く
〔Y;ミズガヤツリ亜属〕
◆B果は左右から扁平で、稜は小軸に向く
◆C小穂は只1花をつけ;成熟すると基部から脱落する『Y;ヒメクグ属』
◆C小穂は多数の花をつけ;成熟すると鱗片および痩果は小穂の小軸から脱落する
〔Y;イガガヤツリ亜属〕

◆A柱頭は3個;果は3稜形または偏3稜形で、稀に1部に柱頭2個のものが混じる
◆B小穂は殆ど扁平でなく、小軸は関節がある
◆C小穂は基部に近く、ただ1回関節する;小穂は長さ4-5mmある
〔Y;イヌクグ亜属〕
◆C小穂は各鱗片ごとに関節する;小穂は長さ10-15mmある
〔Y;ムツオレガヤツリ亜属〕
◆B小穂は通常扁平;小軸は関節しない
◆C小穂は束状または掌状につき、花穂の中軸は全く発達しない;小形の1年草または多年草である
◆D小穂は円くまたは僅かに扁平で鈍い縁があり;鱗片は淡緑色、2列または螺旋状にならび、背面には鈍稜ある
〔Y;シロガヤツリ亜属〕
◆D小穂は明らかに扁平で、両縁は鋭形をなし;鱗片は著しい竜骨があって常に2列に並ぶ
〔Y;狭義カヤツリグサ亜属〕
◆C小穂は穂状につき、花軸は明瞭である
〔Y;狭義カヤツリグサ亜属〕
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参考検索1964《カヤツリグサ科Cyperaceae》(広義のカヤツリグサ属部分を抜粋;Y)
◆5.小穂の軸(以下小軸という)は関節で切断しないで、花序の枝の上に宿存し、鱗片だけ離れ落ちる
◆6.果実は3稜形または前後から扁平;果実の一面が小軸に向く『カヤツリグサ属Cyperus』
(シロガヤツリ・ミズガヤツリ亜属含)
◆7.果実は3稜形;柱頭は3個〔カヤツリグサ属Sect.Cyperus〕
◆7.果実はレンズ形;柱頭は2個〔ミズガヤツリ節Stt.Juncellus〕
◆6.果実は左右から扁平のレンズ形;果実の稜の1個が小軸に向く『カワラスガナ属Pycreus』

◆5.小穂の軸は、小穂の基部または各小花の間で関節により切断するため、花序の枝から離れ落ちる
◆6.小穂の軸はその基部だけ関節する
◆7.小穂は2-多数花;果実は3稜形である『イヌクグ属Mariscus』
◆7.小穂は2-3花;果実は左右から扁平のレンズ形『ヒメクグ属Kyllinga』
◆6.小穂の軸は各小花の間およぴ基部で関節する『ムツオレガヤツリ属Torulinium』
(参考;カワラスガナ属Pycreus、イヌクグ属Mariscus、ムツオレガヤツリ属Torulinium、ヒメクグ属Kyllingaを区別している)
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