| 《ヤナギ属Salixの雌花検索 概要》(08/8/24版)(本検索表は文献情報のみで実地検証がすんでおらず、仮検索表とする) ◆A矮小低木で匍匐する◇芽鱗は片側で離生することなく帽子状《ヤナギ亜属》(別亜属のマルバヤナギを除く) ◆B高山帯生◇花序は枝に頂生する ◆C花は葉と同時性 ◆D苞上部は紅色､縁毛あり◇花柱は短く約0.5mm◇雌穂3-7mm､やや疎花◇矮小低木;広葉 〔マメヤナギ節=エゾマメヤナギ節〕【エゾマメヤナギ】 ◆D苞上半は褐色､両面に長軟毛密◇花柱は長く1.5-2mm◇雌穂20-45mm､密花◇矮小低木;広葉 〔タカネヤナギ節=レンゲイワヤナギ節〕【タカネイワヤナギ=レンゲイワヤナギ､エゾノタカネヤナギ､ヒダカミネヤナギ】 ◆C花は葉の展開後に開花する ◇苞上半は暗色､両面白長毛､柄に長軟毛あり◇子房紅色､絹毛､有柄;花柱短0.7mm◇矮小低木;広葉 〔ミヤマヤチヤナギ節〕【ミヤマヤチヤナギ】 ◆B山地-低地生◇花は葉前性◇苞上半は暗色 ◆C穂や葉は対生もあり◇苞は両面黄白長毛密､円-切頭◇子房に密毛､柄有毛;花柱は極短かなし◇矮小低木;細葉 〔ノヤナギ節〕【ノヤナギ】 ◆C穂や葉は総て互生◇苞は両面白長毛密､鋭尖頭◇子房に密毛､無柄;花柱2.5-3mm◇矮小低木;広葉 〔ネコヤナギ節1〕【ハイネコヤナギ=ネコシダレv】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p1 ◆A匍匐することはない ◆B枝または小枝が下垂したりねじれたりする◇花は葉と同時性◇苞は淡黄-淡黄緑で黒味なし､基部有毛◇高木;細葉 〔シダレヤナギ節1〕 【ウンリュウヤナギ､ミチノクシダレ､コウライシダレ､ロッカクヤナギf=ロッカクドウ､オオシダレ､シダレヤナギ､セイコヤナギf ヨシノヤナギ､ウラジロヨシノヤナギf､シロヤナギ､コウライヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p2 ◆B枝は下垂したりねじれたりしない ◆C花は葉前性◇苞上半は黒味がある ◆D葉や穂は対生するものがある◇低木;細葉◇花穂は無柄か､短柄あり ◇苞有毛､1.5-2mm◇子房密毛､柄無短;花柱は子房の半長以下;柱頭短く2裂◇成葉の葉柄2-5mm 〔カワヤナギ節1=コリヤナギ節〕【イヌコリヤナギ､コリヤナギ】 ◆D葉や花は総て互生する ◆E子房有毛◇苞は有毛 ◆F◇低木;細葉◇苞両面に白長毛､2-3mm ◇子房は白毛密､1.5-2mm､柄0.5mm以下;花柱は子房の半長以下で0.3-0.8mm☆新葉の側縁は裏側に軽く弧状に反る 〔カワヤナギ節2=コリヤナギ節〕【エゾノカワヤナギ､カワヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p3 ◆F◇高木;細葉◇花穂はほぼ無柄◇苞両面に長毛密､2-3mm ◇子房全面に白短毛密､柄1mm以下;花柱は子房と同長以上で1.6-2mm☆新葉の側縁は｢の｣字状に裏巻きする 〔キヌヤナギ節〕【エゾノキヌヤナギ､オノエヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p4 頁top ◆F◇低木;広葉◇苞全体か基部に長毛あり､3-4mm､鋭尖頭◇子房は密毛､3.5mm､無柄;花柱は子房より長く2-3mm 〔ネコヤナギ節2〕【チョウセンネコヤナギ､ネコヤナギ】 ◆F◇低木;広葉 ◇苞両面に白軟毛密生､1.5-2mm､鋭頭-鈍頭◇子房は絹毛密､1.5-2.5mm､柄0.2-0.4mm;花柱は子房より短く0.5-1.2mm 〔シバヤナギ節キツネヤナギ亜節1〕【オオキツネヤナギ=オオネコヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p5 ◆F◇低木;広葉 ◇苞両面に白長毛あり､2.3-2.6mm◇子房は絹毛密､2.3-3mm､柄長めで1.9-2.3mm;花柱は子房より短く0.5-0.7mm 〔バッコヤナギ節1=ヤマネコヤナギ節〕【タライカヤナギ】 ◆F◇高木;広葉◇苞両面に長軟毛あり､3-4mm◇子房は白短毛密､3.5mm位､柄長く2-4mm;花柱は子房より短い 〔バッコヤナギ節2=ヤマネコヤナギ節〕 【バッコヤナギ=ヤマネコヤナギ､マルバノバッコヤナギ=エゾノバッコヤナギv=コウライバッコヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p6 ◆E子房無毛◇苞は有毛 ◆F◇高木;細葉◇苞両面に長毛密､2.5-3mm､普通は下半縁に腺多数 ◇子房は有柄;花柱は子房と同長?で1mm;柱頭長く線形1mm 〔エゾヤナギ節〕【エゾヤナギ】 ◆F◇高木;細葉◇苞両面に長毛密､2-2.4mm ◇子房1.3-1.8mm､柄0.8-0.9mm;花柱は子房とほぼ同長で1-1.8mm;柱頭短く全縁か凹頭 〔ユビソヤナギ節〕【ユビソヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p7 ◆F◇低木;広葉 ◇苞両面に鉄錆毛密か､白毛混､0.6-1.2mm程◇子房は有柄;花柱は子房より短い;柱頭は凹-2中裂 〔シバヤナギ節キツネヤナギ亜節2〕【キツネヤナギ､サイコクキツネヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p8 ◆C花は葉と同時性 ◆D苞は淡黄緑色､時に上部褐色帯びるもの混生する ◆E◇低木;広葉◇苞は両面長軟毛密生◇子房は普通白綿毛密 ◇子房の柄は腺体と同長か短く0.7-1mm;花柱やや長く子房の約半長;柱頭は短い 〔ヤマヤナギ節〕【ヤマヤナギ】 ◆E◇低木;広葉◇苞は無毛か少毛◇子房は無毛か基部に少毛､稀に全面有毛 ◇子房の柄は腺体と同長か短い;花柱やや長く子房の約半長;柱頭は短い 〔ミヤマヤナギ節〕【ミヤマヤナギ､マルバミネヤナギf､エゾミヤマヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p9 ◆C花は葉と同時性 ◆D苞は淡黄-淡黄緑で黒味なし ◆E雌花は腺体が2個､腺体は普通側方で合着する ◇高木;細葉◇苞は両面長軟毛あり◇成葉は無毛 〔ジャヤナギ節〕【ジャヤナギ､ペキンヤナギ】 (Gはシダレヤナギ節とする。Sは雌花の腺体が2個あることから､ジャヤナギ類としてシダレヤナギ類から分けている。ここでは仮にジャヤナギ節としておく) ◆E雌花は腹腺体1個と､稀に背腺体が発達する ◇高木;細葉◇苞外面は先端除き長軟毛あり､内面はほぼ無毛か散毛がある ◇子房は密毛､ほぼ無柄;花柱はやや長く子房の半長以上;柱頭は花柱より長く､外曲する◇成葉は無毛 〔シダレヤナギ節2〕【オオタチヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p10 頁top ◆E雌花は腹面に1個の腺体がある ◆F◇高木;細葉◇苞は外面の下半部か基部付近に毛があるが､しばしば無毛 ◇子房は密毛-無毛､ほぼ無柄;花柱は0.7mm以下;柱頭は長く外曲する◇成葉は多少毛がある 〔シダレヤナギ節3〕【コゴメヤナギ､ヨシノヤナギ､ウラジロヨシノヤナギf､シロヤナギ､コウライヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p11 ◆F◇低木;広葉◇苞は有毛◇子房は普通無毛､柄は1mm以下;花柱は短い;柱頭は短く2深裂-凹頭 〔シバヤナギ節シバヤナギ亜節〕【シバヤナギ､シライヤナギ､チチブヤナギ､コマイワヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p12 ◆F◇高木;細葉◇苞は外面下半に軟毛多､縁毛疎 ◇子房は無毛､柄は1.2-1.5mmで腺体の約倍長;花柱極短;柱頭短く凹頭か2中裂◇成葉は無毛 〔タチヤナギ節〕【タチヤナギ】 ◆C花は葉の展開後に開花する◇苞は黄緑色◇腺体は2で腹腺体は子房の柄の基部を深く抱き､普通背腺体と合着する ◇高木;広葉◇苞は有毛◇子房は長い柄とともに無毛;花柱は極短;柱頭は短小で凹頭か2浅裂 〔マルバヤナギ節〕【マルバヤナギ=アカメヤナギ】 (マルバヤナギは芽鱗が片側で合せず互いに重なりマルバヤナギ亜属とされ､他種は総て芽鱗が片側で離生することなく帽子状となりヤナギ亜属とされる) －－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－p13 |
| 《ヤナギ属Salixの雌花検索》(08/8/18版) ◆A矮小低木で匍匐する◇芽鱗は片側で離生することなく帽子状《ヤナギ亜属》(別亜属のマルバヤナギを除く) ◆B高山帯生;花序は枝に頂生する ◆C花は葉と同時性 ◆D苞上部は紅色､縁毛あり◇花柱は短く約0.5mm ◇雌花穂3-7mm､やや疎花◇子房1.8mm◇矮小低木;広葉〔マメヤナギ節=エゾマメヤナギ節〕 ◇小枝に細毛あり､後無毛◇若葉裏に長軟毛 ◇成葉は倒卵-倒卵楕円形､6-13mm､巾3-10mm;円鈍頭;鈍-円脚;表無毛;裏淡緑､無毛か中肋長毛散;ほぼ全縁;革質◇葉柄1-3mm (SGOH､道､大雪山)(葉2広)【09エゾマメヤナギ】 (変品種;【09キヌゲエゾマメヤナギｆ=ケエゾマメヤナギ;(SOH)子房は絹毛で被われる】【09マルバエゾマメヤナギf;(SH)成葉は円形､円頭-微凹頭､円-浅心脚】【09ナガバエゾマメヤナギf;(SH)成葉は長楕円-倒被針楕円形､鋭鈍頭､鋭脚】 ◆D苞上半は褐色､両面に長軟毛あり◇花柱は長く1.5-2mm ◇雌花穂20-45mm､密花◇矮小低木;広葉〔タカネヤナギ節=レンゲイワヤナギ節〕 ◆E苞は2-2.5mm､巾1-1.5mm◇子房は無毛､2.5mm;柄は腺体と同長かやや短い ◇小枝は多少絹毛あるが､すぐ無毛◇若葉の両面に白長毛､後無毛◇丈10cm程 ◇成葉は長楕円-広楕円形､40-70(85)mm;表緑､裏粉白;洋紙質;全縁か疎らに波鈍鋸歯;網脈裏凸;両面は無毛-裏中肋に長毛残 (SGOHY､本中部山岳､乾地)(葉2広)【25タカネイワヤナギ=レンゲイワヤナギ】 (Y;エゾノタカネヤナギは葉が円形に近く､厚く表面に艶がある)(H;ハイマツ帯より下には見ない) (変品種;【25ケタカネヤナギf;(SOH)子房に密毛あり】【25ホソバタカネヤナギf;(SOH)成葉が極端に巾狭い】 ◆E苞は2.7-3.5mm(G1.5mm)◇子房は無毛､2-3mm;柄は0.5mm､腺体の約半長くらい ◇若枝は無毛◇若葉両面に白長毛密､後すぐ無毛 ◇成葉は円-広楕円形､15-55(60)mm;円-心脚;全縁か低鋸歯疎;裏粉白;両面無毛;やや革質;網脈裏凸 ◇葉柄(10)15-30mm(G7-28)◇托葉なし (SGOHY､道､砂礫地)(葉12広)【26エゾノタカネヤナギ】 (H;タカネイワヤナギに極近いが､一般に強壮で半分地中にある幹の直径が3cmに達するものも珍しくない;葉も革質で厚く､巾が広くて円形に近いものが多い､苞も大きく子房の柄が短く腺体の約半長くらいである) (変品種;【ホソマルバヤナギf;(SGO)成葉は長楕円形で狭い】【オオマルバヤナギf;(SGO)成葉は大きく90-100mm位】【26イヌマルバヤナギv;(SGOH)成葉は艶強く脈は極凹入する◇子房は多毛】 ◆E苞は1-1.5mm◇子房は無毛◇小枝は絹毛あり､後無毛 ◇成葉は卵形-楕円形､20-40mm;円頭-微凹頭､円-心脚;網脈は極裏凸;不明波状鋸歯かやや全縁;無毛;表緑､裏帯白-粉白 (SGOH､道､岩地)(葉1広)【27ヒダカミネヤナギ】 (H:エゾノタカネヤナギに似ているが､葉脈が著しく陥没し､裏に著しく隆起するので異なるとされている)(H;エゾノタカヤナギの風衝地における生態型かも知れない;今後の詳細な研究に期待したい) ◆C花は葉の展開後に開花する ◇苞上半は暗色､1.7-2mm､両面に白長毛;柄に長軟毛あり ◇子房紅色､2.8mm､絹毛､有柄;花柱短0.7mm◇矮小低木;広葉〔ミヤマヤチヤナギ節〕 ◇雌穂13-17mm､果穂40-60mm､密花､柄に長軟毛◇若枝僅かに微毛､前年枝は無毛◇若葉は無毛 ◇成葉は狭倒卵-広倒卵形､18-30mm;円頭､広V脚;裏淡粉白帯る;全縁;凹脈裏凸;洋紙質◇葉柄4-7mm(G2.5-4mm) (SGOH､道､湿原)(葉3広)【24ミヤマヤチヤナギ】 ◆B山地-低地生◇花は葉前性◇苞上半は暗色､両面長毛あり ◆C穂や葉は対生もあり◇苞は1mm内外､上部両面は帯黄か白の長毛あり､下部に短毛､円-切頭 ◇子房に密毛､3mm､短柄有毛;花柱は極短かなし◇矮小低木;細葉〔ノヤナギ節〕 ◇雌花穂8-10mm､果穂10-20mm､密花､軸に短毛密 ◇小枝に灰短毛密､後無毛､黄渇-暗褐色;小隆起条散在◇丈50cm ◇?新葉?は側縁が裏巻きする(HY縁は裏側に巻く､G全縁で狭く裏に反る) ◇成葉は長楕円-被針楕円形､小葉で15-30mm､大葉で30-50mm;凹脈裏凸;全縁;表灰緑､微細毛散生;裏粉白､伏長毛密か､散生 ◇葉柄1-7mm､短毛密◇托葉は斜卵形､3-10mm (SGOHY､九<中国四国絶滅>､向陽草地)(葉334細)◇葉柄は1-7mm､短毛密生【16ノヤナギ】 (G;西日本の高地に､丈低く葉も小さく､花序も小さいので他種とは区別しやすい) ◆C穂や葉は総て互生◇苞は3-4mm､両面白長毛密､鋭尖頭 ◇子房に密毛､3.5mm､無柄;花柱2.5-3mm;柱頭黄色?◇矮小低木;広葉〔ネコヤナギ節1〕(DATAはネコヤナギのもの) ◇雌穂25-40mm ◇1年枝は上部灰白毛密､中部で冬芽付近のみ有毛､後無毛;緑紫褐-緑褐色;隆起条あるが余り鋭くない ◇若葉の表は灰白軟毛､裏は絹毛密 ◇成葉は長楕円形､70-130mm;両面絹毛あり､後に表は無毛;裏灰白､絹毛やや密◇葉柄5-20mm､軟毛密 (SG､栽培)(葉3広) ◇幹這うが､立って植えると枝垂れる【32ハイネコヤナギ=ネコシダレv】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p1 頁top ◆A匍匐することはない ◆B枝または小枝が下垂したりねじれたりする ◇花は葉と同時性◇苞は淡黄-淡黄緑で黒味なし､基部有毛◇高木;細葉〔シダレヤナギ節1〕 ◆C枝はあまり枝垂れないが､小枝は蛇状にねじれて下垂する ◇花穂12-15mm◇若枝に微毛あり､後無毛◇若葉は両面伏毛密生､すぐ無毛 ◇成葉は線被針形､50-100mm;上下に波打つ;鋭細鋸歯;表濃緑;裏粉白◇葉柄3-8mm､太くはじめ微毛密◇托葉小､被針楕円 (SGOHKTY､植栽)(高木､葉5細) ◇挿し木で雄株用いられ雄株が多い【08ウンリュウヤナギ】 ◆C枝は真直ぐ枝垂れ下垂する ◆D小枝は長く伸長し､よく枝垂れる ◆E子房は全面に細毛を密生◇枝は著しく伸長して垂れる◇花柱がない (S､奥羽)(高木)【ミチノクシダレ】 ◆E子房は下半有毛､上半無毛 (S､植栽)(高木) ◆F葉柄1-4mm◇葉巾5-17mm;花穂の長さ1-2cm;子房は全く無柄である【コウライシダレ】 ◆F葉柄10-15mm､ねじれは強い◇葉は100-200mm､巾20mmに達す◇花穂5cmに達す◇子房に短柄がある ◇成葉は枝にほぼ密着して枝と平行に枝垂れる◇枝は太く節間長く強壮で長く枝垂れる (SGHKT､植栽)(高木)【07ロッカクヤナギ(シダレヤナギのf)=ロッカクドウ】 ◆E子房は殆んど無毛;殆ど無柄◇柱頭2岐◇葉被針-線被針形;表濃緑;裏粉白;細鋸歯;両面無毛 ◆F成葉100-200mm､巾23-40mm◇花柱は僅か長い◇穂柄5-8mm (SGO､植栽､奥羽)(高木)【オオシダレ】(KT;枯死) ◆F成葉は被針-線被針形;80-150mm､巾5-14.5㎜◇花柱は極く短い◇穂はやや無柄 ◆G成葉は枝から跳ね出し､やや枝から離れてから下垂するする ◇葉柄5-10(C15)mm､ねじれは中程度;細軟毛◇托葉小､斜卵形､稀◇花穂は下垂する枝から反曲してつく ◇若枝の先のみ細毛あるが､後無毛◇1年枝淡黄緑-褐緑､やや艶あり､無毛◇若葉はやや無毛か軟毛散生､後やや無毛 (SGOHKTY､植栽)(高木､葉5細) ◇挿し木で雄株が用いられ､雌株は稀【07シダレヤナギ】 (H;札幌付近までは植栽可能だが､それより北で本種に見えるものはシロヤナギとの雑種と思われる) (GKに､セイヨウシダレヤナギあり､｢花序の柄が長いので区別される。雌本であるが時に雄花をつける｣) ◆G成葉は枝から直角に跳出し斜下する;葉身は短く60-110mm､巾6.5-14.5mm☆新葉はやや全縁 (SGHKT､植栽)(高木､葉5細) ◇葉柄は短くねじれない【07セイコヤナギf】(KT;品種とされるが､雑種の可能性がある) (Sは､ロッカクヤナギをシダレヤナギS.Babylonica L.のcv.Rokkakuとし､ロッカクドウS.elegantissima K.Kochを別にしている。Gは､両種を同一として扱いf.rokkaku Kimuraとする。HKTはロッカクドウの記載なし)(オオシダレはGで､｢発表者木村によれば雑種かもしれないという｣)(M41;ヤナギは強く剪定すると強いシュートが発生し大葉が現れるので､オオシダレの確認は普通状態のものから葉の大きな株を見出す)(M41;ミチノクシダレは産地と記載文からシロヤナギの枝垂れ品の可能性が高いとおもう。木村の考えではユウキシダレと同じ可能性も一端としてあるよう) ◆D小枝は著しく伸長せず､老木では枝が垂れるが長くない ◆E子房は毛密生､1.5mm､無柄◇成葉の裏は淡緑色で白味はない ◇小枝上部に灰毛密◇若葉に淡褐か銀白の絹毛密､後落ちる◇苞約2mm◇雌穂10-12mm◇花柱は長い (SGOHY､近畿以西､川畔)(高木､葉4細)【04ヨシノヤナギ】 ◆E子房は毛密生､無柄◇成葉の裏は粉白-雪白色を呈する ◆F若枝は細毛を密生◇葉柄は短く2～5mm◇成葉は40-100mm (SHY､近畿中部､川畔)(高木) ◆G雌穂12～14mm◇花柱は長い【04ウラジロヨシノヤナギf】 (H;葉裏の帯白色の程度は基本種と連なる｡帯白部は主脈に沿って中央部に現れることもある) ◆G雌穂20-30mm◇花柱は極短いか欠く;柱頭は長楕円 ◇若葉は両面に白絹毛あり◇成葉表ははじめ絹毛散､後脈除きやや無毛;裏絹毛残か､やや無毛 (SGOHY､関東北部以北､河畔)(高木､葉45細)【05シロヤナギ】 ◆F若枝は短毛少しあるか､早く無毛となる◇葉柄は長く5～10mm◇成棄80-130mm､両面中肋付近の外は､後に無毛となる (SO､本九) ◇雌穂7～15mm◇花柱はやや長い;柱頭短く､2裂【コウライヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p2 頁to ◆B枝は下垂したりねじれたりしない ◆C花は葉前性◇苞上半は黒味がある ◆D葉や穂は対生するものがある ◇低木;細葉◇花穂は無柄か､短柄あり 《C葉前､苞黒》 ◇苞有毛､1.5-2mm◇子房密毛､1.5mm､柄無短;花柱は子房の半長以下;柱頭短く2裂､黄緑-紅色〔カワヤナギ節1=コリヤナギ節〕 ◇雌花穂15-30mm◇小枝は無毛◇成葉は両面無毛､裏は白味帯びる ◆E苞は縁毛と散毛があり､外面上部は殆ど無毛;Y中部紅◇子房やや無柄 ☆新葉は時に赤味帯る;両面白毛多､すぐ無毛;新葉の側縁は裏側に軽く弧状に反る ;全縁-ひら鋸歯-弧状鋸歯-低波鋸歯;葉下半部は全縁多い ◇成葉は狭長楕円-長楕円形､巾7-30mm､円-鈍頭､円-浅心脚;低細鋸歯-全縁;裏淡白緑☆葉柄ほぼ無しか極短 ◇頂端の仮頂芽2個が伸びるので､枝が2叉分枝する場合が多い (SGOHKTY､全国普通､渓側-乾地)(低木､葉34細)【28イヌコリヤナギ】 ◆E苞両面に白長毛がある;Y中部淡紅◇若葉は無毛か褐軟毛あり◇子房の柄極短 ◇成葉は線形､巾5-12mm､鋭頭､鈍-円脚;上半部に細鋸歯､下部は全;裏粉白◇葉柄2-6mm (SGOHKTY､植栽)(大低木､葉5細)【29コリヤナギ】(本種も新葉の縁は前種と同様か?;山口) ◆D葉や花は総て互生する ◆E子房有毛◇苞は有毛 ◆F◇低木;細葉 ◇苞両面に白長毛､2-3mm◇子房は白毛密､1.5-2mm､柄0.5mm以下;花柱は子房の半長以下で0.3-0.8mm ◇花穂は無柄か､短柄あり☆新葉の側縁は裏側に軽く弧状に反る〔カワヤナギ節2=コリヤナギ節〕 (カワヤナギの新葉の側縁は､出葉時には裏巻きしないが､押葉までに側縁が裏側に軽く弧状に反る;山口<長谷川氏に教示受け精査した>)(M18;ほつれ始めた葉縁は少しの時期軽く外旋するので､標本ではときどき間違った同定 を見受ける) ◇雌花穂30-80mm ◇成葉は被針-長楕円被針形;波状腺鋸歯◇葉柄2-15mm､細毛あり◇托葉被針 ◆G本年枝の疎細毛は早落し無毛;小枝無毛◇苞2.5-3mm◇柱頭は短く全縁-2裂;花柱0.3-0.5mm;子房1.6-2mm､ほぼ無柄 ◇若葉の両面に軟毛､すぐ無毛◇成葉は両面無毛;裏は淡緑･少し白帯る (SGOHY､道･青森､川畔)(大低木-小高木､葉5細)【30エゾノカワヤナギ】 ◆G本年枝は灰白軟毛密生､前年枝にも少し残り､後無毛◇苞2-2.5mm ◇柱頭は短く､2裂する;花柱は0.4-0.8mm明らか;子房1.5-1.8mm､柄0.3-0.5mm ☆若葉の両面に白軟毛密生;低鋸歯-ひら鋸歯◇成葉は両面散毛､後無毛;裏は帯白緑;裏側脈不明瞭､側脈は裏に突出せず (SGOHKTY､道本四､川畔)(低木-小高木､葉45細)【31カワヤナギ】 (H;エゾノカワヤナギに極近いが､特にはっきり異なる点は､今年枝に灰細軟毛が密生すること､花柱がはるかに長いこと､子房の柄も長く顕著なことである) (M68;春先の葉は毛多く､成葉では鋸歯あり全く無毛で裏灰白) (C;エゾノカワヤナギとカワヤナギの分類上の違いは雌花にあり､花柱･柱頭の違いが記されるが､一般的には区別が難しい) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p3 頁to ◆F◇高木;細葉 ◇苞両面に長毛密､2-3mm◇子房全面に白短毛密､柄1mm以下;花柱は子房と同長以上で1.6-2mm ◇雌花穂20-50mm､ほぼ無柄☆新葉の側縁は｢の｣字状に裏巻きする;成葉裏有毛〔キヌヤナギ節〕 ◆G子房やや無柄;花柱は子房と同長かより長く1.6-2mm ◇小枝はやや細く灰毛密生､後毛落下する◇若葉表に白絹毛､裏は絹毛密生 ◇成葉は被針-楕円状被針;裏絹毛はキヌヤナギよりうすい;全縁;100-200mm;表中肋微毛､ほぼ無毛 ◇葉柄8-15mm､有毛◇托葉斜被針-線-半心形､鋭尖頭 (SGOHY､東北以北､川畔)(大低木-高木､葉5細)【12エゾノキヌヤナギ】 (C;本種はキヌヤナギに酷似する｡しかし枝および葉の銀白さの度が低いし､花穂もやや疎につくので区別される) (変品種;【チャボキヌヤナギf;(SO)植物体は小形､枝細い】【ホソバキヌヤナギf;(SO)成葉は線形】 (Y;概観はオノエヤナギに似るので､葉裏を観察)(C;絹毛を除くと､葉形はオノエヤナギに似て､オノエヤナギの有毛型に見える)(C;オノエヤナギとの雑種が出来やすいらしい。雑種らしくても､枝にも葉裏にも毛が生えていれば､エゾノキヌヤナギと同定している) ◆G子房の柄は1mmあり;花柱は子房と同長 ☆若葉表はやや無毛;裏に短毛密生､時に裏脈上に褐短毛密;全縁-やや弧状鋸歯 ◇若枝の毛は普通僅かで､稀に褐短毛密 ◇成葉は狭被針-狭長楕円､縁は裏に強く反り巻込む ☆弧状鋸歯､尖らず先は縁に接する;裏粉白-淡緑､短毛散生-やや無毛;革質 ◇葉柄10mm程☆托葉は細卵形､鋭尖頭 (SGOHKTY､四以北､亜高山-丘陵､陽湿地)(小高木､葉5細)【11オノエヤナギ】 (Y;道ではエゾノキヌヤナギと間違いやすい;が､同種は白い絹毛が密集し強い光沢あるので区別できる) (C;北海道では最も普通にみられ､枝も葉も無毛。細葉類のうちで､量的に基本タイプで､先ずこの葉を良く覚える必要あり､入門用の基本的種である。これが同定できないと他の同定も不確かになりかねない)(C;種間雑種がしばしば見出され､葉による同定が困難な場合もある) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p4 頁to ◆F◇低木;広葉 ◇苞全体か基部に長毛あり､3-4mm､中部紅色､鋭尖頭 ◇子房は密毛､3.5mm､無柄;花柱は子房より長く2-3mm､紅色;柱頭黄色?､2叉し更に2裂◇花穂はやや無柄〔ネコヤナギ節2〕 ◇雌花穂25-50mm､果穂-90mm◇若葉の表は灰白毛､裏は絹毛密生◇小枝は上部灰白毛あり､後無毛 ◇成葉革質､長楕円形､6-13cm､巾10-30mm､細鋸歯 ◆G苞は基部のみ長毛あり◇花柱2-3mm;柱頭短く､2裂 ◇若枝は伏絹毛あり､後無毛◇成葉は表無毛;裏は若時有毛､後無毛;J葉先やや尖り基部は狭くなる◇葉柄6-10mm (SOKT､愛知以西･四)(低木､葉34広)【チョウセンネコヤナギ】 ◆G苞は全体に長毛あり◇花柱約2mm;柱頭短く､2裂 ◇1年枝は上部灰白毛密､中部で冬芽付近のみ有毛､後無毛;緑紫褐-緑褐色;隆起条あるが余り鋭くない ◇若葉の表は灰白軟毛､裏絹毛密 ◇成葉は表伏軟毛あり､後ほぼ無毛;裏灰白､縮毛やや密◇葉柄5-20mm (SGOHKTY､全国､普通､川畔渓畔)(低木､葉34広)【32ネコヤナギ】 (Y;花柱は日本のヤナギ属で最も長い) (変品種;【ヒロハネコヤナギv;(TK､栃木､山形)】【フイリネコヤナギcv;(SG､栽培)斑入り品】【ハイネコヤナギv=ネコシダレcv;(SGH)枝は這う】【タチネコヤナギv;(H)枝は立つ】 (H:枝の立つタチネコヤナギvar.adscendens Kimura.と､枝の這うハイネコヤナギvar.pendula Kimuraとに大別される)(G;枝の這うものをハイネコハギという)(S;ネコヤナギの項で園芸品種ネコシダレcv.pendulaの別名にハイネコヤナギをあて､別種のチョウセンネコヤナギS.graciliglans Nakaiの別名にもハイネコヤナギを記す)(T;変種としてのタチネコヤナギ､ハイネコヤナギの識別は､多形のネコヤナギにあっては現時点では難しいものであり､更に検討が必要) ◆F◇低木;広葉 ◇苞両面に白軟毛密生､1.5-2mm､楕円-披針状卵形､鋭頭-鈍頭 ◇子房は絹毛密､1.5-2.5mm､柄0.2-0.4mm;花柱は子房より短く0.5-1.2mm;柱頭小さく2中裂 〔シバヤナギ節キツネヤナギ亜節1〕 ◇雌穂40-50mm､径9-10mm､無柄かやや無柄;果穂50-100mm;普通下出葉発達する ☆新葉は赤味帯る;両面多毛☆若葉でこぼこ波打つ;ひら鋸歯-ひら凸鋸歯 ☆新枝に所々で褐毛密生;若枝の所々で狐色密毛集団散在◇小枝に隆起条密 ☆成葉裏は粉白-青灰色;側脈は間隔広くゆるく弓曲､やや肋脈(注);表脈上白毛多 ;細脈側脈は表凹(しわ状)裏凸;ひら凸鋸歯 ◇葉裏直毛散生(縮毛とならず)､中肋の毛やや密;長楕円-楕円形;洋紙質 ◇葉柄10-18mm､密毛◇托葉斜卵形､鈍鋭頭 (SGOHKTY､主に内帯･秋田-京都･北関東､､山野乾地)(低木､葉34広)【17オオキツネヤナギ=オオネコヤナギ】 (Hキツネヤナギの多毛型と混同されてきたが､一般に小枝がやや太く､若枝に毛の多いこと､葉が大きく､葉裏の毛はしばしば残留し､裏面主脈上に伏長軟毛がある点で､花がなくとも区別できる)(Y；キツネヤナギと比し､最大巾位置中央に近い) (T;内帯に分布の本拠を置くが､時に太平洋側にもある；葉はバッコヤナギに似るが､全体長く伸びた形状;冬芽は大きく黄渇で園芸ではキンメヤナギ) 《本種の節の所属》 (T;本種の所属節は､木村有香は隆起条がある低木としてシバヤナギ節キツネヤナギ亜節とし､大橋広好は隆起条があり子房に密毛があることからバッコヤナギ節とした;KTは木村に従う)(GOはシバヤナギ節におく)(Sは検索で､子房が無柄であることと葉がシバヤナギ節より大きいことをキーとして､別のオオネコヤナギ類としている) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p5 頁to ◆F◇低木;広葉 ◇苞両面に白長毛あり､2.3-2.6mm ◇子房は絹毛密､2.3-3mm､柄長めで1.9-2.3mm､絹毛あり;花柱は子房より短く0.5-0.7mm 〔バッコヤナギ節1=ヤマネコヤナギ節〕 ◇雌花穂は20-27mm､柄7-12mm､絹毛;果穂45-65m ◇若枝上部はじめ絹毛散か微毛､まもなく無毛;1年枝は無毛､黄渇-赤渇､艶;葉痕隆起､托葉痕明らか◇隆起条散在 ◇若葉の両面は有毛､後すぐ無毛 ◇成葉は長楕円-倒卵楕円形､60-104mm;両面無毛;波状鈍疎鋸歯か全縁;裏粉白まれに淡緑､無毛 ;薄い洋紙質;普通中央かその上が最広 ◇葉柄6-16m､ほぼ無毛◇托葉半心形､細鋸歯･腺歯牙縁､無毛;盛んな枝で大き (SGOHY､道･道東､陽湿地)(低木､葉2.5-3.5広)【15タライカヤナギ】 (変品種;【15ヒロハタライカヤナギf;(SH､道)(葉1.5-2.5広)成葉は楕円-広楕円形】 ◆F◇高木;広葉 ◇苞両面に長軟毛あり､3-4mm ◇子房は白短毛密､3.5mm位､柄長く2-4mm;花柱は子房より短い〔バッコヤナギ節2=ヤマネコヤナギ節〕 ☆成葉の裏は後まで著しい縮毛がある ◇若葉の表に白綿毛か赤渇毛あり､落ちる ◆G小枝の皮を去ると木部に隆起条がある ◇雌果穂20-40mm､柄5-10mm;果穂45-90mm◇子房3.5mm位､長柄2-3mm､有毛◇苞3-4mm ◇若枝白軟毛あり､後無毛;灰緑-灰褐色◇1年枝無毛 ◇若葉表に白綿毛か赤渇毛あり落ちる;裏白綿毛あり残る;側縁は裏巻きする場合がある ◇葉柄10-25mm､表に曲毛密 ◇托葉斜卵形-半月形､10mm､鈍鋸歯;割合遅くまで残る;托葉痕やや不明､小? ◇成葉は楕円-長楕円形;鈍-円脚☆裏粉白､白縮毛やや密;表無毛 ;ひら鋸歯､乾くと極狭く縁が強く裏に反り､ひら凸鋸歯-全縁にみえる､葉基部では鋸歯残る;縁上下に小波曲 ;生時は細脈や側脈がやや凹脈裏凸で表は全面皺状(押葉で皺不明､凹脈不明､細脈裏凸せず) (SGOHKTY､四近畿以北､山地-丘陵､乾地)(小高木-高木､葉3広) 【10バッコヤナギ=ヤマネコヤナギ】 (GY;若葉縁は裏巻きする。T;若葉は内巻き､後に葉縁が軽く外旋する) (G;冬芽大きく楕円形で円く､成葉裏に白縮毛多く､子房に長柄があるのでわかりやすい)(H;早春､芽鱗を脱いだ大きい花穂が銀白に輝き非常に人目を引く)(Y;ネコヤナギと違って乾燥地生) (変品種;【ホソババッコヤナギf;(S)葉は細い】 ◆G小枝に隆起条が少ないか無い(マルバノバッコヤナギは花のDATA不明) ◇雌花穂25-35mm､柄5-8mm;果穂50-75mm◇子房3.5mm､長柄3-4mm､散毛◇苞3mm ◇若枝は微軟毛あり､後無毛､褐紫色◇前年枝は黄渇色､無毛◇若葉は軟毛あるが落ち､裏の毛は密で落ちない ◇成葉は広楕円-長楕円形､鈍-円脚-浅心脚;波状鋸歯か全縁;表中肋は有毛､裏に密毛あり;洋紙質 (SGOY､道･全土､山地)(高木-小高木､葉2広)【10マルバノバッコヤナギ=エゾノバッコヤナギv=コウライバッコヤナギ】 (G;バッコヤナギによく似てるが､隆起条がない)(H;典型品は成葉巾広く円み帯び､第1次側脈はジグザグしない､なだらかな曲線となって平行に走ることが特徴とされる) (C;バッコヤナギとの区別は､枝の隆起条だけではかなり難しい｡葉でも区別し難い｡便宣的に分布域で分けている) (S；マルババッコヤナギS.hultenii Flod.とエゾノバッコヤナギvar.angustifolia Kimuraを分けて掲載）（G；コウライバッコヤナギ=エゾノバッコヤナギとし､S.hultenii Flod.とvar.angustifolia Kimuraを同種として掲載）（H；マルバノバッコヤナギS.hultenii Flod.として掲載）（Y；エゾノバッコヤナギS.hultenii Flod.とし別名マルババッコヤナギとする) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p6 頁to ◆E子房無毛◇苞は有毛 ◆F◇高木;細葉 ◇苞両面に長毛密､2.5-3mm､普通は下半縁に腺多数あり◇子房は無毛､有柄;花柱は子房と同長?で1mm;柱頭長く線形1mm ◇花穂は無柄新葉の側縁は裏巻せず;腺体0.6mm〔エゾヤナギ節〕 ◇雌花穂25-40mm､果穂50mm ◇小枝はじめから無毛､紫渇か帯褐緑､しばしば白蝋帯びる;樹皮内面鮮黄色◇若葉は伏毛あり､すぐ無毛 ◇成葉は被針楕円-被針形;細鋸歯;裏粉白;はじめから両面無毛◇葉柄5-8mm､無毛◇托葉顕著､斜卵形;遅くまで残る (SGOHY､道･上高地､川畔)(高木､葉45細)【14エゾヤナギ】 (Y;2年枝は白粉をかぶるが､タチヤナギやケショウヤナギは1年枝から白い)(C;1年枝が多少とも白い蝋質かぶり､時にケショウヤナギと見誤られることがあるが､托葉があり､1年枝は紫渇-黄渇色､冬芽扁平で異なる) (変品種;【14コエゾヤナギf;(SGOH､上高地)(葉3細)苞の下半部縁に腺なし】 ◆F◇高木;細葉 ◇苞両面に長毛密､2-2.4mm;円頭 ◇子房は無毛､1.3-1.8mm､柄0.8-0.9mm;花柱は子房とほぼ同長で1-1.8mm;柱頭短く全縁か凹頭◇花穂は無柄 〔ユビソヤナギ節〕 ◇雌花穂26-38mm､果穂50mm◇若枝は灰軟毛あり､後に無毛◇樹皮内面鮮黄色 ◇若葉は淡褐帯び､両面に細毛密生;腺鋸歯が特徴 ◇托葉斜卵-長楕円形､3-8.5mm ◇成葉は披針-線被針形;表中肋除き無毛;裏緑灰白､無毛か中肋微毛､後無毛;鋸歯の先は尖る◇葉柄10-16mm､表細毛 (GOHY､宮城群馬､河原) (高木､葉5細) 【33ユビソヤナギ】(G縁は外曲する､H縁は著しく裏側に巻く､Y縁は少し巻く) (HP下山;ユビソヤナギは波状鋸歯であるが､先がわずかに尖る。オノエヤナギは完全な波状鋸歯で､先が尖ることは無い) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p7 頁to ◆F◇低木;広葉 ◇苞両面に鉄錆毛密か､白毛混､0.6-1.2mm内外､広楕円-楕円形 ◇子房は普通無毛､有柄;花柱は子房より短い;柱頭は凹-2中裂〔シバヤナギ節キツネヤナギ亜節2〕 ◆G花穂はやや無柄､下出葉欠くか小さい◇若葉･下出葉･葉･苞などに黄渇毛混じる ◇子房は無毛､花柱含め2.8mm､柄は0.7mmで短い;花柱短く､柱頭は凹頭 ◇苞両面に鉄錆毛密生か､それに白毛が混生する､1.2mm内外､広楕円-楕円形 ◇雌花穂25-40mm､径5-6mm､G柄30mm内外;果穂50-70mm;下出葉の発達悪く時に欠く ◇若枝に縮毛あり､後無毛;小枝緑褐色;隆起条密◇若葉は両面(特に脈上)に白または鉄錆細毛密 ◇成葉は表に綿毛残らない;裏粉白か淡緑､無毛か､脈上に白または鉄錆軟毛を多少残存する ◇成葉50-70(Y120)mm;長楕円ｰ倒長楕円卵形;波状低-微突鋸歯;最大巾は中央より先寄◇葉柄6-9(Y5-13)mm､毛有無 (SGOHY,近畿以西､山野乾地)(低木､葉3広)【19サイコクキツネヤナギ】(新葉側縁､G裏に巻く､Y巻かない) (H;キツネヤナギに極く似ているが､花穂の基部の下出葉を欠くか､或は発達が悪く極小さいこと､雄花穂が短くて太いことなどで異なる)(Y;花序がない時期はキツネヤナギとの識別無理で産地が決め手になる) (G;キツネヤナギによく似て､葉形､毛色､花序色なども近縁を示し､キツネヤナギの変種か亜種が適当と思う) (変品種;【カンサイキツネヤナギv;(SO､近畿以西)苞は無毛】(T;サイコクキツネヤナギはキツネヤナギの変種亜種ランクのもので､カンサイキツネヤナギもその1品か同物であろう) ◆G花穂は短柄あり､ふつう下出葉が発達◇若葉･下出葉･葉･苞などに黄渇毛混じる ◇子房は普通無毛､柄は長め;花柱短く､柱頭は小さく凹または2中裂 ◇苞両面に鉄錆色毛密か､それに白毛が混じる､0.6-0.8mm､広楕円-楕円形､円頭-鈍頭 ◇雌穂30-50mm､径5-10mm､柄短い;果穂60-100mm ◇1年枝は無毛か､微毛あり後無毛;帯赤紫渇-帯緑黄渇色;隆起条密◇若葉は両面に白または鉄錆細毛密 ◇成葉表は濃緑､しばしばやや皺､無毛;裏粉白か淡緑､無毛か､脈上に白または鉄錆軟毛を多少残存する ◇成葉50-120mm;長楕円ｰ倒長楕円卵形;波状低-微突鋸歯;最大巾は中央より先寄り ◇葉柄10-15mm;毛有無◇托葉小さく半心形 (SGOHTY､中部以北､山野乾地)(低木､葉23広) ◇雌株少ない【18キツネヤナギ】 (H;下出葉､成葉､苞などにある鉄錆色の毛が特徴的である)(Y;オオキツネヤナギと比し､最大巾位置は先端寄り)(M55;最近の知見で千葉にあるが､北の形に一致しない) (変品種;【ミヤマキツネヤナギv=ウスゲショウヤナギ;(SG､奥羽以北､高山)(低木) 子房にやや細毛か微毛あり;成葉の表に綿毛残る】(G;キツネヤナギの子房にやや細軟毛か微毛がある1型) 【オニキツネヤナギv;(S､群馬･北信･北陸､山野)成葉の裏に毛多い】【オクキツネヤナギv;(S､本中部･北部)葉大型､短毛は主脈に残る】 (Gにサイコクキツネヤナギの雌穂柄30mm内外とあり､キツネヤナギ雌穂柄短いとあるが､Y図ではキツネヤナギのほうが柄が長く明らかで､柄記述は注意要す;山口) (T;小泉源一の変種ランクが数多くある｡ミヤマキツネヤナギ､ニッコウキツネヤナギ､ケキツネヤナギ､ミチノクキツネヤナギ､オクキツネヤナギ｡これらはキツネヤナギのシノニムか下位のタクサ或いは他種との種間雑種であろう。これらの研究はこれからの課題) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p8 頁to ◆C花は葉と同時性 ◆D苞は淡黄緑色､時に上部褐色帯びるもの混生する ◆E◇低木;広葉◇苞は両面長軟毛密生◇子房は普通白綿毛密 ◇子房の柄は腺体と同長か短く0.7-1mm;花柱やや長く子房の約半長;柱頭は短い〔ヤマヤナギ節〕 ◇雌花穂30-50mm､やや無柄 ◇苞は卵-倒卵形､1.6-2mm､鈍円頭◇子房狭卵形､1-2mm◇雌花穂は長く約30mm位 ◇若枝はビロード状密毛､後次第に無毛◇若葉は両面に伏絹毛密生 ◇成葉は被針楕円-楕円形､80-140mm;裏は粉白､普通無毛､または細毛散残;表中肋除き無毛 ◇葉柄10-20mm､表毛残か無毛◇托葉顕著､斜狭卵形 (SGOHY､近畿以西､四九で普通､山地-丘陵)(低木-小高木､葉23広)【34ヤマヤナギ】 (Y;西日本でヤナギといえば本種､山間部に非常に多い;葉形はミヤマヤナギ似だが分布域が異なる)(H;ナガホノヤマヤナギ､ダイセンヤナギ､ツクシヤマヤナギ､オクヤマヤナギ､など発表されているが､なにぶんヤマヤナギ類は変異が多く､これらを独立種とするべきかは今後の研究を待つ他はない)(M48;ヤマヤナギ節は近畿以西にあり10種相当が記載されるが､これからの研究により数種ないし1種数変種に纏められると考えられる) 《SO以外は区別しておらず､以下にSO検索表を示す》 ――――(参考;S検索表)―――――――――――――――――――――――― ◆D葉は広楕円形又は倒卵形. ◆E葉は小形膜質で下面は灰白色を帯びて,脈上に密毛がある.花柱は中長で,腺体は小さくて卵形 (SHY､近畿以西､山地) (低木)【オクヤマヤナギ】 ◆E葉は大形で革質,九州産. ◆F成葉は無毛.花序は長い,雄穂の長さ4～7.5cm.雌穂の長さ3～5cm.花柱はやや長い.腺体は線形 (SOHY､九､山地) (低木､葉2広)【ナガポノヤマヤナギ=ハシカエリヤナギ】 ◆F成葉は下面に毛残る.花序は短く雄穂の長さ2.5～4cm,雌穂の長さ2.5～3cm,花柱は短い (SOHY､九､山地) (低木､葉2広)【ツクシヤマヤナギ】 ◆D葉は狭楕円形に近い形. ◆E葉裏は毛多く殊に中央部に褐色綿毛がある(S､宮崎･鹿児島) (低木)【サツマヤナギ】 ◆E葉裏は後無毛となるか中肋のみ毛が残る. ◆F苞は線状長楕円形.子房は狭披針形(S､九､山地) (低木)【ホソバヤマヤナギ】 ◆F苞は卵形又は倒卵形で先は鈍円形.花穂は長く雄穂の長さ3～3.5cm,有梗.雌穂の長さ約3cm位【ヤマヤナギ】 ――――(参考;O検索表)―――――――――――――――――――――――― ◆C雄しべは1個､または同花序中に2個のものが混じる｡苞は鈍頭｡葉は長楕円 ◆D雄花穂は長さ40-70mm､巾4mm｡雄しべは1-2個､腺体は円柱状に伸張し､苞は全体が濃色｡雌花穂は長さ30-40mm 葉は菱状長楕円形または倒卵形(SOHY､九､山地) (低木､葉2広)【ハシカエリヤナギ=ナガボノヤマヤナギ】 ◆D雄花穂は長さ25-40mm､巾6-10mm｡腺体は卵形､苞は上部のみが濃色｡雌花穂は長さ20-25mm ◆E雄しべはただ1個､苞は短い密毛がある｡子房は柄および腺体と同長である｡葉は楕円形または狭倒卵形である (SOHY､九､山地) (低木､葉2広)【ツクシヤマヤナギ】 ◆E雄しべは1-2個､苞は長毛を著しく密生する｡子房は非常に長い柄がある｡葉は狭長楕円形【ヤマヤナギ】 ――――――――――――――――――――――――――――――――――― ◆E◇低木;広葉◇苞は無毛か少毛◇子房は無毛か基部に少毛､稀に全面有毛 ◇子房の柄は腺体と同長か短い､無毛か基部少毛;花柱やや長く子房の約半長;柱頭は短い〔ミヤマヤナギ節〕 ◆F苞両面は無毛か少毛､1.5-2mm◇子房は無毛か､基部少毛 ◇雌花穂25-60mm､柄は短く細毛あり◇成葉の鋸歯は明らか ◇1年枝は黄渇-暗褐､細毛散生､後無毛;Y隆起条あり◇若葉に細毛あり ◇成葉は楕円-倒卵楕円形､35-90mm;両面無毛だが､初め細毛あり;裏粉白;鋸歯明らかで内曲波状鋸歯;革質;凹脈裏凸 ◇葉柄13-20mm (SGOHKY､本中部以北､亜高山-高山､普通)(低木､葉23広)【23ミヤマヤナギ=ミネヤナギ】 (H;波状鈍鋸歯は普通はるかにエゾノミヤマヤナギより著しく､子房に毛がある場合も毛は白色で長く直毛の傾向がある) (Y;枝が立つもの､匍匐するもの有るが生育環境によるものではなく個体の遺伝的性質)(M48;分枝第一葉は向軸側の正中軸上に出る) (変品種【23キヌゲミヤマヤナギf;(SGOH､中部以北)子房に絹毛あり】【マルバミネヤナギf;(SO､奥羽､高地)(葉1広)葉はほぼ円形で円か凹頭】 ◆F苞の外面ほぼ無毛､内面と縁に白絹毛､2mm◇子房約3mm､やや縮毛傾向の黄褐毛全面被う ◇雌花穂25-30mm､柄は14-22mmで散毛あり ◇若枝は紅褐か黄褐､無毛◇若葉は無毛か､表伏細毛;裏散毛か､無毛 ◇成葉は倒卵長楕円-倒卵形､30-55mm;両面無毛;裏帯白;波状鈍鋸歯がやや不明;薄い革質 ◇葉柄5-12mm;表微毛､後無毛;裏無毛 (SGOH､道､高山)(低木)【23エゾミヤマヤナギ】 (ミヤマヤナギと比し､鋸歯はやや不明) (G;｢大雪山産をTypeとすべきであろうが､子房の毛は灰短毛であり､ミヤマヤナギの子房に毛のあるものと考える｣として分けていない)(H;ミヤマヤナギと区別される主な特徴は､波状鈍鋸歯が不明瞭なこと､子房の毛が淡渇で短く､やや縮毛傾向があることである;しかし両種とも葉形､鋸歯､子房の毛には甚だしい変化があるため､中間を示す個体が少なくない､小泉が最初変種と考えたのもうなずける､今後の詳細な調査が必要である) ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p9 頁to ◆C花は葉と同時性 ◆D苞は淡黄-淡黄緑で黒味なし ◆E雌花は腺体が2個､腺体は普通側方で合着する ◇高木;細葉､成葉は無毛◇苞は両面長軟毛あり〔ジャヤナギ節〕 (GKTはシダレヤナギ節とする。Sは雌花の腺体が2個あることから､ジャヤナギ類としてシダレヤナギ類から分けている。ここではSに準じてジャヤナギ節としておく;山口) ◆F小枝は太く､上部にはじめ少軟毛､後無毛◇成葉70-120mm ◇子房は白毛密､2mm､無柄;花柱はやや長く､子房の約半長;花柱から柱頭部は長く2岐して外曲する ◇雌花穂は約15mm以下;成熟しないで落ちる ☆新葉はすぐ両面ほぼ無毛;鋸歯の腺長い;中段縁は淡褐色帯びるが片側がやや薄色 (タチヤナギの新葉のように左右均一な色付きではない) ◇成葉は被針-被針楕円形☆裏やや帯白青灰色-粉白;表濃緑;両面無毛;側脈細脈は両面出ず;細脈透視 ;やや深い波状鋸歯-低波鋸歯;卵楕円形の葉では下1/3部が最広 ◇葉柄5-18mm☆葉柄は若葉で白軟毛多☆托葉卵形鋭頭､若時顕著､早落性? (SGOHKTY､本以南四九､湿地､雌株のみ)(高木､葉4細)【03ジャヤナギ】 (G;シロヤナギに比し葉が大きい)(H;オオタチヤナギに似るが､本種の第1次側脈は平行して乱れず､枝端の若葉は殆ど無毛に近い)(M55;下出葉は軸の左右に出て次は主軸の反対側に出る) (T;低地から山間部に普通であったが､新規繁殖がないから近年めっきり少なくなった) (Y;タチヤナギ､オオタチヤナギ､ジャヤナギのグループは､かなり観察経験を積む必要がある) ◆F小枝は細くて無毛､しばしば捩れる◇成葉50-80mm◇子房は無毛で､やや無柄;花柱がない◇花穂は20mm (SGO､植栽)(高木)【ペキンヤナギ(ウンリュウヤナギの母種)】 ◆E雌花は腹腺体1個と､稀に背腺体が発達する ◇高木;細葉◇苞外面は先端除き長軟毛あり､内面はほぼ無毛か散毛がある､1.5-2mm ◇子房は密毛､1.2-1.8mm､ほぼ無柄;花柱はやや長く子房の半長以上;柱頭は花柱より長く､外曲する◇成葉は無毛 〔シダレヤナギ節2〕 ◆E雌花は腹腺体1個と､稀に背腺体が発達する ◇高木;細葉◇苞外面は先端除き長軟毛あり､内面はほぼ無毛か散毛がある､1.5-2mm ◇子房は密毛､1.2-1.8mm､ほぼ無柄;花柱はやや長く子房の半長以上;柱頭は花柱より長く､外曲する ◇成葉は無毛〔シダレヤナギ節2〕 (本種は､苞の形質､雄しべ2､雄花の腺体2､雌花柱頭が外曲するなど､シダレヤナギ節である;山口) ◇雌花穂9-20mm､短柄あり ☆若葉は両面白毛多-表残毛疎･裏残毛やや多;表の毛も中肋に平行的;裏は粉白;波状鋸歯;細脈透視 ◇小枝ははじめ密毛か疎短毛､すぐ無毛､緑褐色 ◇成葉は被針形､90-120mm;両面無毛;裏粉白帯びる;鋭細鋸歯密;中部が最広 ◇葉柄は10-18mm位か?☆葉柄は若葉で白軟毛多☆托葉は被針形-卵形鋭頭 (HY､道､北陸近畿以西､湿地)(高木､葉5細)【03オオタチヤナギ】 (Y;葉はジャヤナギに似るが中央部が最広；ジャヤナギは下膨れ)(T;側脈はジャヤナギより角度広く葉縁に向かう) (園芸品;【レンギョウヤナギ=コガネヤナギcv;(KT)春の芽だしごろ葉白く緑葉がない】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p10 頁to ◆D苞は淡黄-淡黄緑で黒味なし ◆E雌花は腹面に1個の腺体がある ◆F◇高木;細葉◇苞は外面の下半部か基部付近に毛があるが､しぱしば無毛 ◇子房は密毛-無毛､ほぼ無柄;花柱は0.7mm以下;柱頭は長く外曲する ◇成葉は多少毛がある〔シダレヤナギ節3〕 ◆G雌花穂10-20mm;若枝ははじめ灰軟毛あり ◇子房は無毛か基部僅毛､1.5-2mm､やや無柄;花柱は短い;柱頭は外曲する(K図では4個);苞約2mm ◇新枝は有毛;若枝はじめ灰細軟毛あり;小枝褐緑 ◇成葉は裏粉白;披針-広披針形､25-70mm;両面無毛か､両面中肋基部に細毛;鋭細鋸歯 ;裏側脈は不明瞭､R裏側隆起せずほぼ平坦 ◇葉柄短く2-6mm;細軟毛◇托葉斜卵形､鋭尖頭 (SGOHKTY､東北南部-近畿､礫川畔)(高木､葉45細)【06コゴメヤナギ】 (H;樹形もシロヤナギに似て､近い種類であるが､主に花穂が小さいこと､子房の毛はあっても基部のみであること､成葉が小さいことなどで区別される;分布も異なる)(Y;シロヤナギより葉が小さく､樹皮が黒っぽい;コゴメヤナギの子房は殆ど無毛だが､シロヤナギの子房は白軟毛密)(Y;ヨシノヤナギの葉裏は光沢のある緑色)(Y;高木生ヤナギの中で葉が最も小さいのが特徴) (Y;コゴメヤナギ､シロヤナギ､ヨシノヤナギのグループは､かなり観察経験を積む必要がある;産地が有効な手がかりになる;シロヤナギ東北､コゴメヤナギは関東から中部地方が分布のメイン､ヨシノヤナギは西日本) (Y;コゴメヤナギとシロヤナギの分布の接するあたりでは葉で見分ける､コゴメヤナギの葉はやや小さく両面無毛､シロヤナギは葉裏に絹毛が密生する) ◆G雌花穂10-12mm◇小枝先端に上向き灰毛密生◇若葉は淡褐か銀白絹毛密生､後落ちる ◇子房は白毛密生､1.5mm､無柄;花柱やや長く約0.7mm､子房の半長以上;柱頭は花柱と同長で約0.7mm◇苞約2mm ◇成葉裏は淡緑色で決して白味ない､両面とも中肋近く毛残る;鋭細鋸歯;被針形､40-80mm◇葉柄約5-6mm､灰毛密 (SGOHY､近畿以西､川畔)(高木､葉4細)【04ヨシノヤナギ】 (G;コゴメヤナギに比し､子房や果実に密毛がある)(Y;葉裏が光沢ある緑が特徴) ◆G雌花穂12-14mm◇若枝は細毛を密生 ◇子房は細毛密生､無柄;花柱は長い ◇成葉裏は粉白-雪白を呈す､披針形､40-100mm;葉柄2～5mm (SHY､近畿中部､川畔)(高木)【04ウラジロヨシノヤナギf】 ◆G雌花穂30-45mm◇若枝は細毛を密生､後無毛;若葉両面に絹毛 ◇子房は白毛密生､無柄;花柱は極短い;柱頭は長楕円で外曲する ◇成葉裏は粉白-雪白を呈す;楕円被針-被針形;40-110mm;表絹毛散､後脈に毛残る;裏絹毛残か､やや無毛 ◇葉柄は2-5(8)mm､はじめ細軟毛あり◇托葉小､斜卵形､鋭尖頭 (SGOHY､関東北部以北､川畔)(高木､葉45細)【05シロヤナギ】(T;最近本種または類似種が､長野県､岡山県､九州でも見出されている) ◆G雌花穂7～15mm◇若枝は短毛少しあるか､早く無毛となる ◇子房は白毛密生､無柄;花柱やや長い;柱頭は短く､2裂する ◇成葉裏は粉白-雪白を呈す;被針形;80-130mm;両面中肋付近以外は無毛;細鋸歯◇葉柄5-10mm､無毛 (SO､中国以南)(高木)【コウライヤナギ】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p11 頁to ◆C花は葉と同時性 ◆D苞は淡黄-淡黄緑で黒味なし ◆E雌花は腹面に1個の腺体がある ◆F◇低木;広葉◇苞は有毛◇子房は普通無毛､柄は1mm以下;花柱は短い;柱頭は短く2深裂-凹頭〔シバヤナギ節シバヤナギ亜節〕 ◆G苞は短毛散生､1.5-2mm◇子房の柄は約0.6mmで腺体と同長かやや短 ◇果穂60-100mm､長い◇花序は先へ次第に細く､花やや疎らで､なよなよした感じ ◇若葉しばしば紅帯び､両面長軟毛覆う◇小枝軟毛あり､すぐ無毛;水平出で先多少下垂が多い ◇成葉は尾状鋭尖頭､ふつう両面無毛;裏粉白か帯白緑:鋸歯は属中最も鋭い ;被針-狭倒卵楕円形､変化多､40-120mm◇葉柄3-30mm◇托葉線-卵被針形 (SGOHKTY､関東南部-愛知､乾地崖岩)(低木､葉23広)【20シバヤナギ】 (Y;細く長い花序､鋭い鋸歯が特徴)(T;子房は通常無柄であるが､稀に短柄の出る個体がある｡近似種シライヤナギには長柄があり､花時より果期に差異が明瞭となる) (変品種;【ヤマネコキヌヤナギf;(S)成葉裏に絹毛】【ホソバシバヤナギf;(SKT)葉は狭い】【キヌゲシバヤナギ;(YK､箱根乙女峠-金時山､丹沢)新葉両面絹毛密で銀白;成葉は被針形､葉裏にも毛残ることあり;隆起条あり】【ヒロハシバヤナギf;(KT)葉は50-80mm､巾25-40mm､円-心脚;葉柄5-8mm】 (T;非常に変異多く次の形が認められるが、各品種の境は分明でない場合がある。基準品種シバヤナギ､ヒロハシバヤナギ､ホソバシバヤナギ、チャボシバヤナギ。多分､後2種は分区分できない) ◆G苞は両面白軟毛密､1-2mm◇子房1.5mm､柄は0.8-1mmで腺体の約2倍 ◇子房が緑で白長毛に包まれ､全体緑銀白色◇果穂50-55mm ◇若葉帯紅;表ほぼ無毛-伏軟毛あるが主脈除きすぐ無毛;裏軟毛すぐ無毛◇小枝微毛すぐ無毛;Y隆起条あり ◇成葉は無毛(小枝基部の葉裏に艶ある伏軟毛あり);裏粉白;鋭鋸歯顕著 ;卵形-長楕円卵形(上部葉楕円被針形)､40-80mm､;円-浅心脚;鋭-鋭尖頭 ◇葉柄3-10mm◇托葉は小さい◇普通丈20cm程(1m以上もある) (SGOHY､東北-八岳､亜高山-山地､乾地崖岩)(小低木､葉23広)【21シライヤナギ】 (G;葉基部が浅心形になるのと若葉に白長毛があるのを特徴として区別された)(Y;コマイワヤナギと混同されやすいが､本種は葉が細長くなく卵形､受粉後も腺体は淡緑のまま､花序もほっそりしている)(M55;基部の葉は必ず基部心形となる) ◆G苞は両面白長毛密､0.8mm､卵形◇子房1mm､柄は0.3mmでやや無し ◇雌花穂15-23mm､柄およそ3mm ◇若枝は紫渇､無毛◇若葉は表中肋に微毛､他は無毛;裏絹毛密 ◇成葉は卵-狭卵形､35-65mm;円-微心脚;微凹鈍鋸歯;表濃緑､若時は中肋に微毛あり ;裏灰白､中肋沿絹毛か､時に無毛;革質 ◇葉柄5-11mm (SG､関東､石灰岩)(低木､葉2広)【チチブヤナギ】 (Gはカワヤナギ節とするが､カワヤナギ節は細葉である。本種は広葉のグループであり､Sはシバヤナギ節とし、M03には｢小泉はシバヤナギ節に位置づけている｣としてこれを支持している。ここではシバヤナギ節とする。尚､S検索表ではシライヤナギと共に苞上半暗色の部においているが､シライヤナギも本種も苞に黒味はないと考える;山口) ◆G苞は両面白軟毛密､0.5-0.8mm◇子房2.5mm､柄は約0.6mmで腺体と同長かやや短;腺体は受粉後紅色帯びる ◇果穂30-55mm ◇若葉両面に白軟毛密◇若枝白絹毛やや密､後疎ら;前年枝無毛か毛残､葉痕顕著 ◇成葉は裏粉白-灰緑､無毛か白軟毛あり;枝下部の葉は有毛;披針状楕円-長楕円形､巾20-30mm;鋭鋸歯;革質;凹脈裏凸 ◇葉柄6-9mm､細毛◇丈50cm位までが普通(1m以上もある)◇Y隆起条あり (SGOHY､群馬山梨長野､山地､乾地崖岩)(小低木､葉3広)【22コマイワヤナギ】 (M28;側脈は葉下面に隆起するのがコマイワヤナギ､隆起しないのがシバヤナギ) (G;苞の大きさは変異があるが小さい) (変品種;【22ケコマイワヤナギf;(GOH)子房に絹毛】 ―――――――――――――――――――――――――――――――――――p12 頁to ◆C花は葉と同時性 ◆D苞は淡黄-淡黄緑で黒味なし ◆E雌花は腹面に1個の腺体がある ◆F◇高木;細葉◇苞は外面下半に軟毛多､縁毛疎 ◇子房は無毛､柄は1.2-1.5mmで腺体の約倍長;花柱極短2裂;柱頭短く凹頭か2裂､2岐し4個T◇成葉は無毛〔タチヤナギ節〕 ◇雌花穂20-60mm､柄8-30mm ☆新葉の中段が褐色帯びる;やや鋭鋸歯-ひら鋸歯､稀に全縁;托葉不明?;托葉痕不明-点円状 ◇新枝灰褐緑､無毛､しばしば白粉☆葉痕楕円でやや大きい ◇成葉は被針-被針楕円形､50-150mm☆裏やや粉白-青灰色;両面無毛;側脈は裏に凸出する ◇葉柄16mm;1対の腺が有り無し ◇托葉は円頭､無柄;早落性 (SGOHKTY､全国普通､湿地)(大低木-小高木､葉4細)【02タチヤナギ】 (Y;ジャヤナギとよく混同されるが､ジャヤナギは葉裏が粉白) (殆どの文献で花柱短く､柱頭は凹頭か2裂とあるが､長谷川はKTで､花柱2裂､柱頭2岐4個としており､実際に精査するとこれが正しい) ◆C花は葉の展開後に開花する◇苞は黄緑色◇腺体2で腹腺体は子房の柄の基部を深く抱き､普通背腺体と合着する ◇高木;広葉◇苞は有毛◇子房は長い柄とともに無毛;花柱は極短;柱頭は短小で凹頭か2浅裂､2岐し4個T 〔マルバヤナギ節〕 ◇雌花穂20-40mm､やや疎花､有柄;果穂65mm☆芽鱗は複数ある ☆若葉は赤味帯る;両面ほぼ無毛;深い低波鋸歯;腺長い;裏粉白 ◇若枝はじめ帯褐紫色で微毛､後すぐ無毛 ◇成葉は広楕円-狭長楕円､50-150mm☆低波鋸歯;両面無毛;表緑;裏粉白 ☆葉柄上部に1-3対の腺あり時に托葉状 ☆托葉半円形で大きく顕著 (SGOHKTY､宮城山形の中部以南､湿地)(高木､葉23広)【01マルバヤナギ=アカメヤナギ】 (G;他種より花期遅く､遠くから見ると全体黄渇緑色で著しい)(M68;原始的なアカメヤナギでは托葉は何時でも見られる) (変品種;【ケアカメヤナギv;(SO､四)小枝と葉柄は有毛】 (マルバヤナギは芽鱗が片側で合せず互いに重なりマルバヤナギ亜属とされ､他種は総て芽鱗が片側で離生することなく帽子状となりヤナギ亜属とされる) －－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－－p13 頁to |