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〔ガマ科ガマ属 図入り検索表〕(2010/10/02)

 植物のガマは出雲神話にも登場し、大国主命が皮をむかれた因幡の白兎にガマの穂綿にくるまるように教えた話など、我が国では古くから知られていた植物である。通常みられる在来のガマ、コガマ、ヒメガマでは、果穂の形や付き方、葉の形状などでほぼ見分けがつき、わざわざ図入検索表を用意するまでもない。しかし、従来あまり認識されていないガマとコガマの雑種のアイノコガマ(諏訪の自然誌1981)は各地の混生地に存在すると考えられるし、中国植物誌で日本に産するとされるホソバヒメガマ(大場2001)、北米にみられるという各種の組合せによる交雑種(大場2001)、更には近年モウコガマの帰化が報告され、園芸店で販売され逸出の可能性があるチャボガマなどもあり、これらを視野に入れると、従来から知られる情報に加えて別の有効な検索キーが得られないかと模索するうち本検索表の作成に至った。なお、モウコガマは東京都墨田区の少数個体での検証である。

頁概要(Pdfファイル)
◆頁1 《ガマ科図検索表》 
◆頁2 
《学名》  《はじめに》  《解説》 雌花(果)穂  雄果穂  花粉
                       雌雄の穂の間の軸  茎  根茎  葉
◆頁3 
                   葉  葉鞘内面の褐色粘液腺
    
《おわりに》  《文献など》

(全頁Pdfファイル→図ガマ科図検索表 頁1〜頁3)

(ガマ科図検索表 頁1)
ガマ科図検索、ガマTypha latifolia、コガマTypha orientalis、ヒメガマTypha domingensis、モウコガマTypha laxmannii この頁top

(頁2・頁3は、全頁Pdfファイルにあり)
参考検索2003『ガマ科ガマ属』
◆A雄花穂と雌花穂は接していて、間に軸は見えない
◆B葉は巾10〜20mm;雌花穂の直径は23mm以上、上から下まで同じ太さ;果穂はチョコレート色;花粉は4集粒【ガマ】
◆B葉は巾5〜12mm ;雌花穂の直径は18〜25mm、上端が最も巾広く、下部に向かってわずかに細くなる;果穂は濃い渇色;花粉は単粒【コガマ】
◆B葉は巾5〜10mm ;雌花穂の直径は23mm以下、上から下まで同じ太さ;果穂はチョコレート色;花粉は単粒【アイノコガマ】
◆A雄花穂と雌花穂の間には花のつかない軸の部分がある;葉は巾2〜12mm;果穂は上下ほぼ同じ太さ;花粉は単粒
◆B果穂は長さ5cm内外;茎は高さ30〜130cm;葉は長さ1m以下
◆C茎は高さ1〜1.3m 、葉は長さ50〜90cm、下部の葉も葉身がある【モウコガマ】
◆C茎は高さ15〜80p、葉は長さ15〜50p、下部の葉は葉鞘だけで葉身がない【チャボガマ】
◆B果穂は長さ10〜30cm;茎は高さ1.5〜3m;葉は長さ50〜120cm
◆C葉鞘の内面全体と葉の上面基部に褐色で短い線状の粘液腺があり、果期に多量の粘液を出す;柱頭と雌花の小苞の先端は明るいワラ色から薄い褐色で果期の穂は白っぽい褐色に見える;上部の葉の葉鞘口部は下部になだらかに沿下することが多い【ヒメガマ】
◆C葉鞘の上端付近の内面と葉の上面粘液腺はない;柱頭と雌花の小苞の先端は濃い褐色で果期の穂は濃い褐色になる ;上部の葉の葉鞘口部は膜質で耳状【ホソバヒメガマ仮称】
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参考検索2001『ガマ科ガマ属』
◆A雄花穂と雌花穂は接していて、間に軸はみえない
◆B葉は巾10〜20mm;果穂は直径23mm以上、上から下まで同じ太さで、チョコレート色;花粉は4集粒【ガマ】
◆B葉は巾5〜10mm;果穂は直径23mm以下、上端がもっとも巾広く、下部に向ってわずかに細くなり、濃い渇色;花粉は単粒【コガマ】
◆A雄花穂と雌花穂の間には花のつかない軸の部分がある;葉は巾2〜12mm;果穂は上下ほぼ同じ太さ;花粉は単粒
◆B茎は高さ1〜1.3m;葉は50〜90cm;果穂は熟して焦げ茶色、長さ3〜5cm【モウコガマ】
◆B茎は高さ1.5〜3m;葉は50〜120cm;果穂は熟して白っぽい渇色、長さ10〜30cm
◆C葉鞘の内面全体と葉の上面基部に褐色で短い線状の粘液腺があり、果期に多量の粘液を出す;柱頭と雌花の小苞の先端は明るい藁色から薄い褐色で;果期の穂は白っぽい褐色に見える;上部の葉の葉鞘口部は下部になだらかに沿下する事が多い【ヒメガマ】
◆C葉鞘上端付近の内側と葉の上面に粘液腺はない;柱頭と雌花の小苞の先端は濃い渇色で;果期の穂は濃い渇色になる;上部の葉の葉鞘口部は膜質で耳状【ホソバヒメガマ】
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参考検索1982『ガマ科ガマ属』
◆A雌花群のすぐ上に雄花群が続き、間に花のつかない裸出した軸の部分がない
◆B葉は巾10〜20mm;雌花群の長さ10〜20cm;花粉は4個ずつ合着している【ガマ】
◆B葉は巾5〜10mm;雌花群の長さ6〜10cm;花粉は単粒で合着しない【コガマ】
◆A雌花群と雄花群との間に花のつかない裸出した軸がある【ヒメガマ】
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参考検索1982『ガマ科ガマ属』
◆A雌花部と雄花部と隙間なく接続する;子房は有柄;雌花は小苞を欠く
◆B葉巾10-20mm;雌花部長さ10-20cm;花粉は4づつ連合する;花柱は基毛より長い【ガマ】
◆B葉巾5-10mm;雌花部長さ6-10cm;花粉は分離;花柱は基毛と同長【コガマ】
◆A雌花部と雄花部とは少し離れている;葉巾6-12mm;雌花部長さ6-20cm;雄花部長さ10-30cm;花粉は分離【ヒメガマ】
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参考検索1980『ガマ科ガマ属』
◆1雌花群のすぐ上に雄花群があって、間に柄がない
◆2葉は巾10-20mm;雌花群は長さ10-20cm;雄花群は7-15cm;花粉は4個づつ合生【ガマ】
◆2葉は巾5-10mm;雌花部長さ6-10cm;雄花群は長さ3-5cm;花粉は合生しない【コガマ】
◆1雌花群の上に柄があって雄花群がつく;花粉は合生せず;葉は巾5-10mm【ヒメガマ】
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