ヤナギ属植物の同定システム (同定対象は年間を通して観察できる個体とする) ヤナギ属へのいざないへ HPtopへ
同定システムの流れ(メールにて取扱います) 送付先:植物検索研究会 山口純一 メール:syokubutukensaku@gmail.com
初回は葉などの画像1〜3枚ほどと簡単な説明をメールにてご送付ください。(画像は下記見本を参考に不要部分を少なくした構図とし、メール送付可能なファイルサイズとする)
◇画像と説明をもとに、同定するための着目点、今後の必要行動をご提案します。
◇画像判断、着目点の観察結果などから、可能性があると考えられる該当種をご提示します。【同定終了】
◇画像での同定が難しい個体は、 花の形態的特徴部位の確認(解剖を含む)など、同定着目点をご提案します。花の解剖が不慣れな方は定形封筒にて花穂2〜数個をご送付ください。
◇解剖結果、着目点の観察結果などから、可能性があると考えられる該当種をご提示します。【同定終了】
◇交雑種をはじめ同定困難な個体の場合は継続観察とし、以後協力して解明にあたらせていただきます。
以上。 (初回メール表題は「ヤナギ同定システム依頼・・・」などでお願いします。なお、送付画像、サンプル植物体などは返却いたしません)
送付いただく画像見本(種名は左から順に表示)
@葉や花などの基本的画像 A形態的特徴を示す部位の画像
シュート(画像必須):シュートの上部および下部には、標準と異なる葉形が着くこともあり、種の考察は標準的な中央部の葉を対象とすることが多い。
(キヌヤナギ、シライヤナギ、ヨシノヤナギ)。
シュートの一部(コゴメヤナギ、ノヤナギ)。
シュート押葉のスキャナー画像(ノヤナギ、バッコヤナギ)。押葉の場合は葉形がよくわかる。
葉の形質(画像、標準的葉のサイズ必須):シュート中央部の標準的な葉を対象とし、生時の大きな画像がよい。
葉表(オノエヤナギ、バッコヤナギ、オオキツネヤナギ)。
葉裏(エゾヤナギ、キヌヤナギ、シライヤナギ)。エゾヤナギは葉裏無毛、キヌヤナギは銀白毛が絨毯状。シライヤナギは文献などでほぼ無毛とされコマイワヤナギとの区別点とされるが、有毛の個体も普通に存在する。ヤナギ属の詳細研究はいまだに未解明の事項が多い。
葉裏(ジャヤナギ、ヨシノヤナギ)。ジャヤナギの葉裏は帯白色であるが、蝋物質がみられ蝋白色とも表現したくなる。多くのヨシノヤナギの葉裏は絹光沢がある。
花:交雑種も考慮に入れると画像による類似種間の区別は難しく、一部の種を除きほぼ不可能にちかい。同定には花の解剖が必須となる。
雄花(イヌコリヤナギ、シライヤナギ、ウンリュウヤナギ)。シダレヤナギ節に所属する多くの種では、雄花による区別は不可能と考える。
ヤマヤナギの雄花(左:花穂の中央から先端部はまだ未開花、中:中央部まで開花、右:花穂全体が花粉の抽出を終えている)。同じ種でも日々花穂の外見が異なる。
雌花(コゴメヤナギ、コリヤナギ、ウンリュウヤナギ)。
(ヨシノヤナギの花穂、ヨシノヤナギが関係する交雑種の果穂:子房の成長が不均等で多くの子房が不稔であることを示唆している)。
A形態的特徴を示す部位の画像
新葉の展開:一部の種では重要な形態的特徴を示す。展開前から展開途中の、大きな画像がよい。
(オノエヤナギ)。キヌヤナギ節の種では葉の側縁が外曲し強く巻込む。
(いずれもバッコヤナギ)。同じ種でも展開時の様子は変化があり、左は側縁が強く外曲しオノエヤナギに一見似るが、オノエヤナギより巻方は弱い。
托葉:一部の種で重要な形態的特徴を示す。
(ミヤマヤナギ、ヨシノヤナギ、ノヤナギ)。ノヤナギの托葉は独特てヤナギ属では他に類をみない。
冬芽:近似種はよく似て区別しかねることが多いが、一部の種では重要な形態的特徴を示す。背面(向軸側)と側面の画像を要す。
(ジャヤナギ、ノヤナギ、ユビソヤナギ)。
木部の隆起条線:一部の種で重要な特徴となる。
(フリソデヤナギ、ヤマヤナギ)。ヤマヤナギに隆起条線がみられることは、まだあまり知られていない。
枝表面の白蝋物質:一部の種で重要な特徴となる。白蝋の目立つ時期は種により異なる。
(エゾヤナギ、ケショウヤナギ、タチヤナギ)。エゾヤナギの画像のように、こすると白蝋部は濡れたようになる。
(ヤナギ属に関してはまだ未検証・未解決の部分も多く、ご満足いただけない結果となる場合もあると思いますが、精一杯の取組をいたします。なお、北海道産や、旧オバヤナギ属・ケショウヤナギ属などはまだ観察不十分です)20170201
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