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考察:在来スズメノカタビラとアオスズメノカタビラの比較

この頁概要:
頁top       1.花序基部の稈の括れ   2.花序枝の刺    3.花序枝の基部が膨らんで、枝が下垂するほど反る形質   4.護穎の中側脈付近の毛   5.止め葉の長さ   6.葯の長さ    7.生育地における植物体の色    8.その他    総合考察    参考文献    サンプルデーター表



考察:在来スズメノカタビラとアオスズメノカタビラの比較 (栃木県産・東京都産・埼玉県産による) 》

《はじめに》
 在来のスズメノカタビラと、外来のスズメノカタビラについては、従来から雑草研究など各方面での研究で多くの論議がなされてきた。この中で外来のものをツルスズメノカタビラと称する場合もあったが、和名と植物体の形状とが一致せずに紛らわしい。
 ここでは、従来から知られている特長を持つ在来のタイプを、スズメノカタビラとし、市街地などに極普通に見られるのものを千葉県植物誌(T)などで使用された、アオスズメノカタビラとする。
 ツルスズメノカタビラは、稈がはっきり倒伏し、節から発根して新苗を生じ、栄養繁殖をするタイプに対して使用したいが、野外で見ることは少なく、筆者は川岸の半ば水没する環境での1例しかみておらず、しっかりした土壌での走出枝の出る型はみていない。しかし、はっきりした特徴があることから近似種と紛れることは少ないと思われる。


 東京都あきるの市の休耕田で、07年2月に黄色味の強いスズメノカタビラを採集した。見た瞬間に普段見ているアオスズメノカタビラとは異なる印象であったが、在来のスズメノカタビラをまだみていないこともあり、アオスズメノカタビラとの形態的違いを見出せなかった。
 翌3月、この分野の研究の第一人者といわれる野口達也氏に、栃木県産の在来スズメノカタビラ生育地をみたいとお願いしたところ、快くご案内いただくとともに、護穎の表面の模様の違い、護衛中側脈の毛、止め葉の様子、最下の花序枝の基部、花序下の稈の括れ、稈の太さ、その他現在迄の様々な知見をご指導いただいた。

 スズメノカタビラとアオスズメノカタビラとでは、走査電子顕微鏡での観察で護穎表面の模様に違いがあるといわれるが(青木 1993)、一般的な同定には活用し難い。そこで、これまで検討されてきた外形上の違い、花序基部の稈の括れ・花序枝の刺・花序枝の基部が膨らんで枝が下垂するほど反る形質・護穎の中側脈付近の毛・止め葉の長さ(以上下図参照)と、葯の長さに注目して検討し、以下それぞれの形質について順に分析と考察を試みた。

《サンプルの取り方》
 今回の対象サンプルは、黄色味が強くて在来のスズメノカタビラを多く含むと推測される栃木県産37個体、黄色味のない緑色でアオスズメノカタビラと推測できる東京都産6個体と埼玉県産21個体、やや黄色味をもつ個体を含む東京都産12個体、合計76個体での検証である。
 サンプルの生育環境は、意識的に休耕田やその付近の風の吹き渡る環境での個体を対象とした。このような環境でロゼット状に生育している株をほぐすと、ほぼ複数の個体でひとつの株を形成している。その場合ほぐした中で一番成長している個体を1サンプルとして採用し、残りはサンプルとしない方法を取った。すなわち採集1株(複数個体あり)に対し1個体をサンプルとした。

(サンプルの、203栃木、207栃木、224栃木は大株であったため、2個体をサンプルとして採用し、-1、-2をつけてあらわした)
(各サンプルの採集地:102〜111栃木→栃木県今市市平ケ崎の田圃(採集)、201〜210栃木→栃木県今市市川室の田圃(採集)、221〜226→栃木県今市市川室の田圃縁の高畦下(採集)、300〜304→栃木県河内郡河内町宝井53の田圃(採集)、401〜404→栃木県河内郡河内町宝井43;田圃(採集)、501〜529宮戸→埼玉県朝霞市宮戸の田圃(採集)、631〜642北山→東京都東村山市野口町の田圃(採集)、751〜756八国→東京都東村山市諏訪町八国山の園地(採集))


スズメノカタビラ・アオスズメノカタビラ・ツルスズメノカタビラ考察図


1.花序基部の稈の括れ

 
10倍のルーペで確認できたものを「明瞭」、10.5〜60倍の実体顕微鏡で確認できたものを「あり」、顕鏡でも判断できないものを「不明」、とした。
 括れは1個体中では稈が成長してくると肉が盛り上がってくるためにみつけ難くなり、若い稈ほどはっきりしている。そのため1サンプル中の全部の花序基部を対象にし、一つでも確認できた個体の場合「明瞭」「あり」とした。

タイプ 合計数 括れ明瞭 括れあり 括れ不明
(黄色味が強い)                      栃木産 37個体 26(微小裂片あり1個)  9個体 2個体
(黄色2個体とやや黄色やや緑色の個体) 東京・埼玉産 15個体 10(微小裂片あり2個)  4個体 1個体
(黄色味のない緑色の個体)            東京・埼玉産 24個体 17個体  4個体 3個体
総合計 76個体 53個体 17個体 6個体


◇考察
 切込があったり段状の括れはサンプルのほぼ全体にみられ、括れが判断できなかった「不明」は6個体で、括れは同定の判断材料にはし難い。

 (イネでは穂軸の各節の一次枝梗基部にかすかな小突起として苞が認められる(星川1980)。特に花序の最下枝が稈に着生する部分には、明瞭な苞がみられる場合がある(上図の「イネの花序基部」参照)。他の多くのイネ科植物でも同様な苞の痕跡がみられることが多く、スズメノカタビラ類でも最下枝が着生する部分の下側が括れたり、時には裂片状の苞が残ることもある。

 アオスズメノカタビラでの調査では、この苞の痕跡は稈に半周する横筋だけのものから、少し括れて段になっているもの、更に極浅く切れ込んでいるものなど様々な形が見られた(山口 2004 1757)。
 苞の痕跡が極浅く切れ込んだものの断面を見てみると、稈は中空だがこの部分は節の様に組織が多く集まっているため肉厚で、痕跡部分の断面は極細い馬蹄形で稈を半周していた。切込のない段状の場合も、段は細い馬蹄形になっている。
 また、充分小穂が成熟している個体をみると、花序枝の基部はやや半透明の組織がコブ状に盛り上がり、それによって枝が開出する仕組みで、この枝基部が膨張することが苞の痕跡部にも波及して、筋や段や切込を押しあげて、痕跡が不明な状態をつくりだす。例えば標準的なタイプで、同一株中の成熟した花序から順に若い花序で比べてみると、枝基部がコブ状に盛り上がり充分枝が開出している場合には苞の痕跡は不明であったが、枝基部が膨れず花序枝が斜上している場合には痕跡部は切込や段となり、若い花序がまだ葉鞘に包まれている場合では痕跡部はくの字状にくびれて見えた。すなわち、同一個体中で連続した状態が観察できた)

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2.花序枝の刺

 
10.5〜60倍の実体顕微鏡で確認できないものは「不明」、確認できたものを「あり」とした。

タイプ 合計数 花序枝の刺を確認 花序枝の刺が不明
(黄色味が強い)                      栃木産 37個体 2個体 35個体
(黄色2個体とやや黄色やや緑色の個体) 東京・埼玉産 15個体 3個体 12個体
(黄色味のない緑色の個体)           東京・埼玉産 24個体 4個体 20個
総合計 76個体 9個体 67個体


◇考察
 黄色味の強い栃木産の個体にも花序枝の刺のあるものを確認した。
黄色味のない緑色の24個体においても、花序枝の刺が確認できたのは4個体(16.7%)であった。花序枝の刺は風の吹き渡る環境に成育する個体では出現率が低く、同定の判断材料としては適切ではない。

 
(稈や花序枝表面には珪酸化合物がふんだんにみられ、強風に影響されない市街地や樹林下での花序の伸びたアオスズメノカタビラでは、花序枝の刺は簡単に見つかるが、今回の対象個体の様に、風にさらされる田圃や広場などでは成長が横に向かう為に丈が低くなり、アオスズメノカタビラにおいても花序枝の刺は確認し難い形質である)

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3.花序枝の基部が膨らんで、枝が下垂するほど反る形質》 

 
この形質は熟期以後の花序枝で判断した。熟期前の場合は「不明」とした。

タイプ 合計数 膨出下垂あり 膨出下垂なし 膨出下垂不明
(黄色味が強い)                      栃木産 37個体 22個体  4個体 11個体
(黄色2個体とやや黄色やや緑色の個体) 東京・埼玉産 15個体  2個体  9個体  4個体
(黄色味のない緑色の個体)          東京・埼玉産 24個体  3個体  9個体 12個体
総合計 76個体 27個体 22個体 27個体


◇考察
 栃木県産の黄色味の強いものでは膨出下垂の比率が高いが、黄色味のない緑色のものにも多少はみられる。不明が全体の1/3にも及ぶことからも、枝基部の膨出・枝の下垂は、同定の判断材料にはし難い。しかし参考程度の一定の傾向としてはあるように思える。

 
( イネ科植物では、開花時や熟期に花序枝の付け根部分を膨張させて、斜上する枝を水平方向に押し開き、花序をいっぱいに広げて、受粉効率・種子散布効率を高める性質を持つものがみられる。本分類群では熟期に枝が直角からそれ以上の反曲気味に開出させるものがみられる)
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4.護穎の中側脈付近の毛

 
多毛のものを「多毛」、毛の量の少ないものを「少毛」、中間的なものを「中位い」、「無毛」とに分けた。毛の量の判断は観察者の主観に左右され、一つの花序の中でも変化があるので、花序全体を見通した上で、中心的なもので判断した。

タイプ 合計数 多毛 中位い 少毛 無毛
(黄色味が強い)                      栃木産 37個体 23個体 11個体  1個体 2個体
(黄色2個体とやや黄色やや緑色の個体) 東京・埼玉産 15個体  2個体  8個体  4個体 1個体
(黄色味のない緑色の個体)          東京・埼玉産 24個体  3個体 10個体  5個体 6個体
総合計 76個体 28個体 29個体 10個体 9個体


◇考察
 栃木県産の黄色味の強いものでは多毛が多く、「多毛」「中位い」を含めると92%に及ぶ。ところが黄色味のない緑色のものでも、「多毛」「中位い」を合せると54%を占め、護穎の中側脈上およびその付近の毛の量は、同定の決定要因にはならない。しかし多毛に限って分析すると一定の傾向は見られる。

 
(護穎の中側脈周辺の毛は、同一花序内でも変化があるが、花序の下部の小花の護穎で毛の量が少ない傾向がある)
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5.止め葉の長さ》 

 
花序の下にある、最上位の葉を「止め葉」と称す。
 各サンプルには複数の稈があり止め葉も複数となるが、開花期以後の花序を持つ稈の中で、最も短い止め葉を対象とし、1サンプル1点として計測した。
 図の横軸は、サンプルデーター表の順に並べてある。
  

◇考察
 黄色味が強い栃木県産では止め葉が短いものが多いが、はっきり線引きはしかねる。止め葉の長さは同定の判断材料にはし難い。
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6.葯の長さ》 

 葯の長さは第一小花で最も長く、上部の小花ほど短くなるために、ここでは第一小花の葯を対象として、数個〜十数個の中での中心的な長さを採用した。
 頴内から引出した葯は直線的なため、そのまま長さを計れば良いが、頴から抽出して表皮が裂開すると両端が反ってみた目に短くなる。その場合は反らない状態を想定して、注意ぶかく計測した。採集日より少し日時が過ぎており、葯の計測時は乾燥状態であった。

 図の横軸は、サンプルデーター表の順に並べてある。
  

◇考察
 黄色味が強い栃木県産では葯の短い傾向がはっきりしている。明らかに緑色の東京都・埼玉県産の葯は0.7mm以上で、0.6mm以下のものは出現しない。この寸法あたりで線引きは可能だが、0.1mm程度の違いは微妙であり、計測の誤差を考えると、これをもって同定の決定要因とはしかねるが、はっきり傾向があることは示されており、同定時の重要な参考材料になるものと考えられる。

 
(従来、葯については殆ど注目されていないが、今回の検証では上記の様な結果となり、顕著な違いと傾向を示す特徴であるようだ)
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7.
生育地における植物体の色

 生育時の植物体の色を、下記サンプルデーター表に記した。

◇考察
 植物体の色は観察者の主観によるところが大きく、アオスズメノカタビラにも黄色味のある個体が存在するために、植物体の色でのはっきりした線引きはできない。しかし、生育地が少ないといわれる在来のスズメノカタビラを注目するのには、植物体の黄色味の認識は有効であり、第一着目点といえる。

 (生育時の植物体の黄色味については、田圃などの風の吹き抜ける環境での観察では、アオスズメノカタビラでは黄色味を感じさせない場合が多かった。しかし日向のやや乾いた環境でのアオスズメノカタビラに、時に黄色味の強いものが見られるが、その色はなんとなく汚れ感があった。植物体の黄色味は、陽当りの関係なのか、土質や除草剤などの影響なのか、或いは何か別の理由があるのか、はっきりは解らない。しかし、スズメノカタビラと考えられる個体では植物体の黄色味が顕著であり、特に生育現場ではスッキリした綺麗さを感じさせ印象的な色彩を持っているようだ。ただし、これは生育の早い段階のことで、次第に一部の葉先から褐色に移行するので、だんだんと汚れ感が出てくる)
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8.
その他


 葉舌の長さにについては計測してサンプルデーター表に記したが、特に何かを示す傾向などは見出せなかった。

 稈の太さに関しては、特に止め葉の葉鞘口部付近の稈の太さは、そこから上部の花序頂部までが短いものほど詰まって見えるので太さを感じさせ、その部分から上の花序頂部までが長い場合は太さを感じさせない。これは、急に太くなっていくものと、なだらかに太くなっていく場合の、みた目の違いや感じかたの違いによるものと思われる。幾つかの個体で特徴的な場合もみられるものの、稈の太さや基部葉鞘の径などの計測は単位的に小さすぎて、寸法で明確な差別は至難であり、決定的数字は出せなかった。

 小穂の色はアオスズメノカタビラでは緑色が中心的だが、時期によっては小穂全体が紫を帯びるものも見られ、スズメノカタビラと考えられるものも緑色から紫色に移行して紫帯品が多い傾向はあるものの、小穂の色での区別は難しかった。
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総合考察
 
以上の考察を総合的に検討すると、在来のスズメノカタビラとアオスズメノカタビラを、外形で明確に区別することはなかなか難しい。走査電子顕微鏡を用いた比較では護穎の表面の模様が両者ではっきり異なっているとされる青木 1993。しかし走査電子顕微鏡を用いた作業は一般的な同定方法ではない。そこで、上記の一定の傾向を持つ幾つかの特徴を、その重要度に応じてランクづけし、同定対象品の全体を見つめた上で総合判断することにより、ある程度の判定が可能ではないかと考えた。

 以下の表は、今回対象のサンプルのデーターであるが、特徴のあらわし方を少し工夫してみた。
◇「植物体の色」を最も重要な特徴の一つと捉え、「黄色」を赤文字表記、「緑色」を緑文字表記した。
◇「第一小花の葯の長さ」も最も重要な特徴の一つと捉え、「0.6mm以下」を赤文字表記、「0.9mm」以上を緑文字表記した。
◇「護穎の中側脈の毛」を次に重要な特徴と考え、「多毛」を茶文字表記、「無毛・少毛」を緑文字表記した。
「枝基部の膨出・枝下垂」は不明の場合が多くてやや弱い特徴であるが、一定の傾向は示しているので、「あり」を薄茶文字表記、「なし」を緑文字表記した。

 重要度を視覚的に捉えることにより、在来のスズメノカタビラとアオスズメノカタビラとを見分ける一例を示した。必ずしも満足が行く結果ではないが、今後の更なる研究による両種のもっと判り易い判別方が示されることを期待したい。
 なお、今回の検証は、狭い地域の一部での検証であり、全国的なスズメノカタビラとアオスズメノカタビラの研究ではないことを、お断りしておく。

 なお青木(1993)は、護穎表面の構造に違いがあり区別できると報告したが、その後の館野ほか(2000)による検証調査では、水田を含めた各地で採集された総ての調査個体で護穎表面に構造体が確認され,護穎表面の違いで区別することは出来ないと報告している。本稿掲載後に知りえたため追記しておく。(山口追加:2022/2/21)

《謝辞》
 本項を掲載するに当たり、栃木県宇都宮市の野口達也氏には、スズメノカタビラに関する多くの知見とご指導をいただくと共に、適切なご指摘とヒントもいただいた。千葉県の木村陽子氏には貴重なご意見ご示唆をいただいた。厚く御礼申し上げます。 
(07/9/17 山口純一) 尚、文中の間違いや考え違いなど、文責は筆者にある。

主な参考文献
青木章彦 1993.スズメノカタビラとツルスズメノカタビラ.フロラ栃木,2, 23-25.(追加:2022/2/21
星川清親 1980.新編食用作物,697pp.養賢堂.
木村陽子 2003.イネ科.千葉県の自然誌 別編4 千葉県植物誌,pp.711-787.千葉県. (略記 T)
木場英久 2001.イネ科 イチゴツナギ属.神奈川県植物誌2001,pp.272-278.神奈川県立生命の星・地球博物館. (略記 K)
森 茂弥 1988.イネ科.神奈川県植物誌1988,pp.226-317.神奈川県博物館.
大井次三郎著 北川政夫改訂 1983.新日本植物誌 顕花篇,1716pp.至文堂.
長田武正 1993.増補 日本イネ科植物図譜,776pp.平凡社. (略記 O)

白井伸和 2003.イネ科 ナガハグサ属.日本の帰化植物,pp.247-250.平凡社. (略記 H帰)
杉本順一 1973.日本草本植物総検索誌U単子葉編,630pp.井上書店. (略記 S)
館野淳・今泉誠子・藤森嶺 2000.日本のスズメノカタビラ(Poa annua L.)の分類と防除.芝草研究,28 (2), 127-137. 追加:2022/2/21

参考HP
栃木県 2007.レッドデータブックとちぎ.栃木県. http://www.pref.tochigi.lg.jp/shizen/sonota/rdb/index.html (07/9/17アクセス)
参考資料
山口純一 2004. [1735] スズメノカタビラ類. 帰化植物メーリング・リスト(naturplant@ml.affrc.go.jp).
―――― 2004. [1757] Poa属の花序下側基部の括れ. 帰化植物メーリング・リスト(naturplant@ml.affrc.go.jp).
―――― 2007. [2966] スズメノカタビラの決め手. 帰化植物メーリング・リスト(naturplant@ml.affrc.go.jp).

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サンプルデーター表

サンプル タイプ 生育環境 植物体の色 第1小花葯長さ 護穎の
中側脈の毛
枝基部の
膨出・枝下垂
花序下の
稈括れ
花序枝
の刺
止葉長さ 葉舌長さ
102栃木 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 多毛 不明 明瞭 不明 7mm 1.3〜1.0mm
103栃木 栃木 田圃 【黄色】 0.7mm 多毛 不明 明瞭 不明 10mm 1.4〜1.2mm
104栃木 栃木 田圃 【黄色】 0.7mm 多毛 不明 不明 不明 6mm 1.1〜1.0mm
105栃木 栃木 田圃 【黄色】 0.8mm 多毛 不明 あり 不明 15mm 1.2〜1.0mm
108栃木 栃木 田圃 【黄色】 0.7mm 多毛 (あり) あり 不明 9mm 1.0mm
110栃木 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 多毛 不明 あり 不明 6mm 1.4〜1.0mm
111栃木 栃木 田圃 【黄色】 0.7mm 多毛 不明 明瞭 不明 6mm 1.0mm
201栃木 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 中位い 不明 明瞭 不明 6mm 1.4〜0.9mm
202栃木 栃木 田圃 【黄色】 0.7mm 中位い 不明 微小裂片あり 不明 7mm 1.8〜1.0mm
203栃木-1 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 中位い (あり) 明瞭 不明 7mm 1.6〜1.0mm
203栃木-2 栃木 田圃 【黄色】 【0.5mm】 中位い (あり) 明瞭 不明 8mm 1.5〜1.2mm
204栃木 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 多毛 (あり) 明瞭 不明 15mm 2.0〜1.5mm
205栃木 栃木 田圃 【黄色】 0.7mm 中位い (あり) 明瞭 不明 7mm 1.1〜1.0mm
206栃木 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 多毛 (あり) 明瞭 不明 5mm 1.3〜0.9mm
207栃木-1 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 多毛 (あり) 明瞭 不明 5mm 1.1〜1.0mm
207栃木-2 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 多毛 (あり) あり 不明 5mm 0.9〜0.8mm
208栃木 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 多毛 (あり) 明瞭 不明 6mm 1.1〜1.0mm
209栃木 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 中位い 不明 明瞭 不明 9mm 1.3〜0.9mm
210栃木 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 多毛 (あり) 明瞭 不明 7mm 1.1mm
221栃木 栃木 田圃高畦下 【黄色】 【0.6mm】 多毛 なし あり あり 9mm 1.4〜1.2mm
222栃木 栃木 田圃高畦下 【黄色】 【0.5mm】 多毛 (あり) 明瞭 不明 6mm 1.3〜1.1mm
223栃木 栃木 田圃高畦下 【黄色】 【0.5mm】 多毛 (あり) あり 不明 7mm 1.3〜1.0mm
224栃木-1 栃木 田圃高畦下 【黄色】 【0.6mm】 多毛 (あり) 明瞭 あり 5mm 1.1〜0.7mm
224栃木-2 栃木 田圃高畦下 【黄色】 【0.6mm】 中位い なし あり 不明 6mm 1.0mm
225栃木 栃木 田圃高畦下 【黄色】 【0.6mm】 多毛 (あり) 明瞭 不明 5mm 1.5〜0.7mm
226栃木 栃木 田圃高畦下 【黄色】 【0.6mm】 中位い なし あり 不明 5mm 1.1〜0.7mm
300栃木 栃木 田圃 【黄色】 0.7mm 中位い (あり) 明瞭 不明 9mm 1.8〜1.3mm
301栃木 栃木 田圃 【黄色】 0.9mm 多毛 (あり) 明瞭 不明 13mm 1.9〜1.8mm
302栃木-1 栃木 田圃 【黄色】 0.8mm 多毛 (あり) 明瞭 不明 22mm 2.1〜1.5mm
302栃木-2 栃木 田圃 【黄色】 0.8mm 多毛 (あり) 明瞭 不明 17mm 1.8〜1.6mm
303栃木-1 栃木 田圃 【黄色】 1.0mm 多毛 (あり) 明瞭 不明 11mm 2.1〜1.7mm
303栃木-2 栃木 田圃 【黄色】 1.0mm 中位い (あり) 明瞭 不明 14mm 2.0〜1.6mm
304栃木 栃木 田圃 【黄色】 0.8mm 無毛 (あり) 明瞭 不明 18mm 2.3〜1.6mm
401栃木 栃木 田圃 【黄色】 0.8mm 少毛 不明 明瞭 不明 8mm 1.1mm
402栃木 栃木 田圃 【黄色】 0.9mm 無毛 なし あり 不明 6mm 1.3〜1.1mm
403栃木 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 多毛 (あり) 明瞭 不明 6mm 1.6〜1.3mm
404栃木 栃木 田圃 【黄色】 【0.6mm】 中位い 不明 不明 不明 4mm 1.0〜0.9mm
501宮戸   田圃 やや緑 0.8mm 中位い なし 明瞭 不明 8mm 1.5〜1.1mm
502宮戸   田圃 やや緑 1.0mm 中位い なし あり 不明 6mm 1.0mm
503宮戸   田圃 やや緑 0.9mm 少毛 なし あり 不明 12mm 1.1〜1.0mm
504宮戸   田圃 やや緑 【0.6mm】 中位い (あり) 明瞭 不明 5mm 1.1〜1.0mm
507宮戸   田圃 やや黄 0.9mm 少毛 なし 明瞭 不明 7mm 1.0mm
508宮戸   田圃 やや黄 0.8mm 少毛 なし 明瞭 不明 6mm 1,2〜0.9mm
511宮戸   田圃 やや黄 0.7mm 無毛 なし 明瞭 不明 6mm 2.0〜0.6mm
512宮戸   田圃 やや緑 0.9mm 少毛 不明 明瞭 不明 10mm 1.3mm
631北山   田圃 やや黄 0.9mm 中位い 不明 微小裂片あり 不明 28mm 1.9〜1.8mm
632北山   田圃 やや黄 1.0mm 中位い 不明 明確 不明 31mm 1.7mm
633北山   田圃 【黄色】 1.0mm 多毛 不明 微小裂片あり 不明 21mm 1.5mm
634北山   田圃 やや緑 0.9mm 中位い なし 明瞭 あり 9mm 1.8〜1.5mm
635北山   田圃 やや黄 0.9mm 中位い なし あり あり 14mm 1.6〜1.4mm
636北山   田圃 やや緑 0.9mm 中位い なし 不明 あり 17mm 1.6〜1.3mm
637北山   田圃 【黄色】 【0.6mm】 多毛 (あり) あり 不明 9mm 1.8〜1.2mm
505宮戸 アオ 田圃 緑色 0.9mm 少毛 不明 あり 不明 11mm 1.2mm
506宮戸 アオ 田圃 緑色 0.8mm 少毛 なし 明瞭 不明 8mm 1.5mm
509宮戸 アオ 田圃 緑色 0.8mm 無毛 なし 明瞭 不明 6mm 1.6〜1.2mm
510宮戸 アオ 田圃 緑色 0.8mm 無毛 なし 明瞭 不明 8mm 1.5〜1.1mm
513宮戸 アオ 田圃 緑色 1.0mm 無毛 なし 明瞭 あり 7mm 1.0mm
514宮戸 アオ 田圃 緑色 0.9mm 少毛 なし あり あり 20mm 1.8〜1.7mm
515宮戸 アオ 田圃 緑色 0.7mm 無毛 (あり) 明瞭 不明 24mm 1.6mm
524宮戸 アオ 田圃 緑色 1.0mm 中位い 不明 明瞭 不明 10mm 1.3〜1.2mm
525宮戸 アオ 田圃 緑色 1.0mm 中位い なし 明瞭 あり 10mm 1.5〜1.3mm
526宮戸 アオ 田圃 緑色 0.9mm 少毛 不明 あり 不明 16mm 1.5mm
527宮戸 アオ 田圃 緑色 0.9mm 少毛 不明 不明 不明 13mm 1.3mm
528宮戸 アオ 田圃 緑色 0.9mm 無毛 不明 不明 不明 15mm 1.0mm
529宮戸 アオ 田圃 緑色 0.9mm 中位い 不明 あり 不明 9mm 1.7〜1.2mm
638北山 アオ 田圃 緑色 0.9mm 多毛 (あり) 明瞭 不明 17mm 1.3mm
639北山 アオ 田圃 緑色 1.0mm 多毛 不明 明瞭 不明 12mm 1.3〜1.2mm
640北山 アオ 田圃 緑色 0.8mm 中位い 不明 明瞭 不明 8mm 1.2〜1.0mm
641北山 アオ 田圃 緑色 1.0mm 中位い 不明 明瞭 不明 22mm 1.6mm
642北山 アオ 田圃 緑色 0.9mm 多毛 不明 明瞭 不明 13mm 1.2mm
751八国 アオ 園地 緑色 0.7mm 無毛 (あり) 明瞭 不明 10mm 2.5〜1.5mm
752八国 アオ 園地 緑色 0.7mm 中位い 不明 明瞭 不明 10mm 2.0〜1.0mm
753八国 アオ 園地 緑色 0.9mm 中位い なし 明瞭 不明 5mm 2.0〜1.3mm
754八国 アオ 園地 緑色 0.7mm 中位い なし 不明 不明 10mm 1.8mm
755八国 アオ 園地 緑色 1.0mm 中位い なし 明瞭 あり 6mm 2.0〜1.7mm
756八国 アオ 園地 緑色 0.8mm 中位い 不明 明瞭 不明 12mm 1.5mm
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