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《
ギョウギシバに置き換わっている? ティフトンシバ
》<05/06;山口純一>
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ギョウギシバの園芸品にティフトンシバというものがあり、各地に広く進出していると考えられる。
(ティフトンシバ Cynodon dactylon * transvalensis Davy(ギョウギシバ*アフリカバミューダグラス))
(Sに、
「ティフトン;一代雑種、芝生、ギョウギシバより葉小形で細い、英名Tifton」
とある)
(H帰に、
「1940年代に米で作られた雑種;1964には日本に広がりつつあるという記録あり;多年草;葉巾はギョウギシバより狭く2mm;匍匐枝で栄養繁殖する;種子の粘性は低い;乾燥、踏跡に強く、ゴルフのグリーンやサッカー場で使用;多数の園芸品あり、稀に逸出」
とある)
またWebでは各情報があり、以下いくつかを列記してみる。
◆ティフトン類;暖地型西洋シバの代表種だが日本での知名度低い;甲子園のティフトンシバはこの仲間<HP>
◆アフリカ原産のバミューダグラス(アフリカンバミューダグラス)は1751年芝として導入、使用したのはセントルイス(St.Louis)という品種が1920年頃にフロリダで植えられたのが最初<HP>
◆米ジョージア州ティフトン農試で1946年から育種始まる;交雑により、1952年よりティフファイン(Tiffine)、ティフグリーン(Tifgreen Tifton328)、ティフウェイ(Tifway Tifton419)、ティフドワーフ(Tifdwarf)、ティフウェイIIなど作出;いずれも雑種F1で3倍体不稔性、栄養繁殖で増える<HP>
◇ティフトン419 Tifway(ティフウェイ);生育期には暖地型芝生の中で最も繁殖力強い特徴;踏圧・擦切れからの回復力が強い芝を造ることからサッカー場など各種競技場などでポピュラーに利用<PH>
◇ティフトン328 Tifgreen(ティフグリーン);ティフトン419を改良した品種;葉が短い;ティフトン系芝中成長最も早い品種;踏圧からの回復力も強いが、刈込回数増えるデメリット<HP>
◇ティフドワーフ Tifdwarf;ティフトン328から突然変異した品種、ティフトン419やティフトン328に対して本種はきめ細かく濃緑で丈低く育ち、刈込回数少なくてすむ;ティフトン系芝中では比較的管理に手間かからず個人庭園向;ドワーフの名が示すとおり矮性、他に比べ、刈込回数少なくて済む<HP>
◆米国で交雑により育成されたハイブリッド・バミューダ”ティフトン”は両親の 優良形質を合わせ、生育早く、かつ低性・緻密で濃色の芝生つくり、踏圧にも強く、近年公園、競技場芝に広く使われる;”ティフトン”は3倍性による不稔や、優良形質維持のために栄養繁殖される品種が多い;冬季の緑色保持性が高められている反面、低温耐性はバミューダグラスよりヤヤ劣る。また、肥料要求性が大きい<HP>
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筆者は2005/06に東京、神奈川で矮小のティフトン類を採集した (
矮小ティフトンシバ図
)
◇東京江東区産は、アスファルトの割れ目に着根し、匐枝を伸ばし1畳ほどに広がっていて、通常のギョウギシバに比べ、茎も葉も細く、花序の枝も短く、明らかに異なる状態であった。ティフトン類の中には突然変異品種で、ティフドワーフ、などという矮小品種もあるようで、通常と思われるギョウギシバと比べると、全体が矮小である以外では、
・匐枝径0.6mm以下(ギョウギシバで匐枝径ほぼ1mm以上)、
・葉巾1.3mm以下、
・花序枝は3本が中心で稀に2、4本、長さは14mm以下、
といったところが異なるが、小穂などは通常のギョウギシバと余り違いがない。
◇神奈川県の座間谷戸山公園内の通常のギョウギシバと思われた個体での調査では、
・採集花序22個、
・花序の総93本、
・落下小花102個、
・種子1個、
という結果であった。
これは1代雑種で種子の粘性が低く、もっぱら栄養繁殖で増えるという「ティフトンシバ」の可能性が考えられる。今のところ、在来のギョウギシバと、ティフトンシバとの区別は、種子が正常に結実しているか(雑種かどうか)、生育環境は帰化的かどうか、などで判断する位しか方法はないかも知れない。
矮小のティフトンシバは、花序は葉と同高で皆葉の中に埋まっている感じで、通常のギョウギシバのように葉の高さより抽出してはいない。手入れの少なくてすむ、冬でも青々したシバを育てる事は、多くの業者が取組んでいるようで、通常の大きさのティフトンシバも相当な広がりを持っている事が推察される。特にH帰にも、「1964年には日本に広がりつつあるという記録がある」と記載あり、それから40年余り、既に各地に広がっていても、もしかしたら、在来のギョウギシバと混同され、見逃されている可能性もあり、或いはティフトンシバに置き代わっていても、認識が出来ないことも考えられる。
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矮小ティフトンシバ
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カラスムギにはのど仏がある
カラスムギの第1小花の小軸は、一見仏炎包状の形に変化しています。
手持ちの図鑑には、小軸の解説は属中のどの種にも記載はなく、
他のカラスムギ属の小軸がどのような形状なのか判りませんが、ここまで形が異なると、検索のキーになりそうな気がします。
カラスムギの小軸がこの様な形に変化してしている物だとは知りませんでした。
また、小軸がこの様に変化しているイネ科の他の種を知りません。
そして、この様な形に変わった理由が、何の為なのか判りません。
まだまだ判らないことが多い植物の世界ですね。
参加しているniftyフォーラムにて、都鳥さんから
「のど仏」のアイディアを戴きました。
<06/11/26;山口純一>
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一小花の為、芒が1本のカラスムギ属不明品
小穂は長さ16〜17mm。護穎は革質で先が深く2裂し、無毛。基盤は無毛。芒は屈曲しています。
各図鑑の検索表をたどっていくと、セイヨウチャヒキにたどり着きます。
他に目だった特長として、
・小花にはっきりとした細い小軸がみられ、無毛です(右上図参照)。
・小花の下部に、細く長く無毛の小軸突起がみられ、その先には鱗片状の退化小花の痕跡がみられます(右下図参照)。
セイヨウチャヒキをいまだ認識できていないので、本植物がセイヨウチャヒキと考えて良いのか、お教えいただきたく、よろしくお願いいたします。<06/11/15;山口純一>
◆その後セイヨウチャヒキと同定した。本種の小穂には(1)2〜(3)小花があり、芒は長・中・短と小花の数によるもので、今回のように芒1本の場合もある。なお、第一小花の小軸が柄状になるのは特徴的で、栽培種の特徴ではないかと調査中。<2010/7/3>
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