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この頁の連語呂は、niftyフォーラムFFIELDにおいて、2000年から2004年にわたって「フローラ/緑の散歩道」に掲載されたものです。それぞれの作者は(出典)として記してあります。
(尚、的場伸一氏は日本植物友の会会誌にてコラムを書かれておりました。その中でイメージ記憶術として幾つかの連語呂作品を作られておりましたが、当時2000年にniftyで連語呂シリーズをはじめるに当たり、ご本人のご承諾を得て、その中から優れた作品をいくつかご紹介したものです)
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 連想語呂合せ、「オッタチカタバミ(種子編)

 『
オッタチの 種子には立つ波 あわ立つ波』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
種子の横皺を波に見立てて白色をあわ立つ波頭に連想しました。
カタバミとオッタチカタバミのハッキリとした紛れの無い区別は種子の横皺の色だと思います。・オッタチカタバミの種子は茶色ですが、横皺状うね部は白色です。・カタバミの種子は横皺状うね部は同様に有りますが白くはなく、種子全体が茶色です。

(しかしながら、実際に野外で色付いた種子を探すのはやや手間取りますので、小葉縁毛は肉眼で様子が解りますので、より素早く同定が可能です)
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 連想語呂合せ、「オッタチカタバミ(小葉編)

 『
オッタチの 小葉縁毛は おっ立たず』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
オッタチカタバミの小葉の縁毛は殆ど寝ており、良く見ないと無毛に見える場合があるほどです。一方通常のカタバミの小葉の縁毛の多くは立っており、縁毛が有る事が肉眼でもわかります。

(オッタチカタバミは、身近に見られる帰化植物で個体数が多いのですが、自分でハッキリ確認するには結構時間が掛かりました。オッタチカタバミの特徴は独特で、典型品は誰でも何となく一瞥で解ると思うのですが、草姿があいまいな個体やロゼットなどに出会うと、意外に手間取りました)

【参考文献】
尚、この小葉の縁毛の違いは、千葉植誌2003佐々木あや子氏解説で知り、自分でも確認いたしましたが、ほぼ例外はありませんでした。縁毛に着目されたお方(佐々木あや子氏?)の慧眼に敬意を表すと共に、改めて千葉植物誌03に対し感謝御礼申し上げます。
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 連想語呂合せ、「ナツノタムラソウ、アキノタムラソウ

 『
暑いと舌だすタムラソウ』 (出典;日本植物友の会会誌、的場伸一さん)

解説:
ナツノタムラソウは花冠から雄しべを長く突き出す、対してアキノタムラソウは出さない。
ナツノタムラソウは、花濃い紫、花期が6〜8月、アキノタムラソウは、花青紫、花期7〜11月、暑さの夏とナツノタムラソウとの連想で、長く飛び出た雄しべを、舌に例えた物です。

(なかなかの秀作だと思います。ハルノタムラソウは、花が白、花期が4〜6月、ということで外して考えました。ハルノタムラソウはまだ見た事が有りません。ナツノタムラソウも多くはありません。アキノタムラソウが個体数では圧倒的ですね)
(花の色の微妙な違いや葉の違い等は、調べているその時は良いのですが、すぐに頭の中から消えてしまうので困ります)
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 連想語呂合せ、「オニタビラコ、コオニタビラコ、ヤブタビラコ

 『
ひげ面の鬼、ひげのない(5)コオニと、(8)ヤブタビラコ』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Taさん)

解説:
オニタビラコは花を割ってみると、ひげ(冠毛)があります。冠毛がない場合は花の後ろの総苞片(ガクのようなもの)を数えます。
5枚ならコオニタビラコ、8枚ならヤブタビラコ。(Taさん)

(名前と数字が一致していたとは・・・偶然にしても面白いと思いました)(Taさん)
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 連想語呂合せ、「シラカシ、ウラジロガシ

 『
材はシラカシ、葉はウラジロ、ふち波・きょし波・主みゃく波』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
シラカシの語源は材が白いことにより、ウラジロガシの語源は葉裏の白さから。語感も葉の形状も良く似ているのですが、ウラジロガシは葉の縁が上下に波打っていますので少し離れても認識できます。又シラカシと比べて鋸歯が荒いことと、葉表側の主脈が溝状に凹むことも識別点となっています。

(語源を取り入れたのは、シラカシもウラジロガシも共に白を示唆いたしますので、それぞれ何が白いのかハッキリさせたかったことと、葉裏の白から波につなげる語呂の良さを求めました)
(シラカシの葉裏も白緑感が有りますし、ウラジロガシでも葉裏の白さが中途半端で迷う場合が有る様です。ウラジロガシの葉縁の波打ちは押してしまうと判別できませんが、中肋の溝は押した後も残りますので結構使えます。シラカシの側脈が葉の縁側で消え入る様な感じを与えることも生時には判別点として有効です)
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 連想語呂合せ、「ホタルブクロ、ヤマホタルブクロ

 『
山のホタルは帰らない』 (出典;日本植物友の会会誌より;作者?)
 『
ヤマノホタルは山梨片』 (出典;不明?)
 『
引き返さずにヤマホタル』 (出典;不明?)
 『
ヤマは山にならない』 (出典;不明?)

解説:
萼の付属体がめくれたように反り返るのがホタルブクロで、反り返らないのがヤマホタルブクロ。

(最も初歩的な知識で、殆どの方が知っている区別点なので決して目新しくはないのですが、この両者の覚え方には人それぞれ工夫されていて、上記出典不明作などなど、私の知る物だけでも色々と有りますし、皆様もキット他の覚え方を持っておられると思います)(最上記連語呂は会誌2001年9月号で知ったものです)
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 連想語呂合せ、「オヤブジラミ、ヤブジラミ葉形編)」、

 『
親分ジラミはビシッと正装(正3角)、
      子分ジラミは長袖ダボシャツ(最下小葉が長い)
』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
オヤブジラミの葉形は正3角ですが、ヤブジラミの葉はやや3出的で最下小葉が長くて区別出来ます。

(オヤブジラミとヤブジラミは葉形でほぼ同定できると考えます)(ダボシャツとは少し昔にあった襟なしシャツで、その筋の若い方などがステテコとセットで着ていました)
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 連想語呂合せ、「オヤブジラミ、ヤブジラミ(果実編)」

 『
待ちくたびれた親分ジラミ、首が伸びたり縮んだり、
        遅れて到着青い顔、子分一同勢揃い(果柄長さ)
』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
オヤブジラミは花期やや早く、茎や葉、果実・花被片など紫帯傾向が有ります。それに対しヤブジラミは花期少し遅く植物体は緑です。果柄の長さはヤブジラミが長さ揃うのに対し、オヤブジラミは長短有ります。

(果柄の長さやオヤブジラミの紫帯傾向は有名なのですが、2者択一式ですので、どちらだったか紛れますので、はじめは果実編を作ってみたのですが)
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 連想語呂合せ、「サワハコベ、ミヤマハコベ

 『
沢には運べる山道無し、深山には運べる山道有り』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)(少改変)

解説:
ミヤマハコベの茎には、ハコベ属に良く見られる1列に並んだ毛の列が見られます。サワハコベの方は茎は無毛です。

(茎に並んだ毛の列を山道に見立てました)
(ミヤマハコベは花弁の切込深く10弁に見え、萼片は花弁より短く、葉表はほぼ無毛、
  サワハコベは浅い切込有る感じの5弁、      萼は花弁と同長、     葉に伏毛有り)
(この2種類は葉の形が良く似ていますが、山地ではよく見かけますし、見分け方も難しくはないのですが、いずれも2者択一なので、どっちがどっちか・・・なのです)
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 連想語呂合せ、「ミヤマハコベ2

 『
切込み深く(花弁の)綺麗に見える(深・見)ミヤマハコベ』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)(少改変)

サワハコベは花の大きさには変化があり小さい場合もある。花色もぼんやりした白で、透けているよう。
それに比べ、ミヤマハコベは例外無く花大きく、花色も純白に近く綺麗で、遠くからでも、見付けられる。(らくださん)

(上記連語呂についたコメント、niftyFFIELDフォーラム、らくださんのアドバイスをヒントに創りました)
(近づいて茎の毛を調べる迄もなく、歩きながらの一瞥でミヤマハコベと解ります)
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 連想語呂合せ、「ギシギシ、エゾノギシギシ

 『
エゾの鋭鋸歯、ギザギザのギシギシ』 (出典;日本植物友の会会誌、的場伸一さん)

解説:
果実を包む内ガク片(翼)の形が、ギシギシには鋸歯が有り、エゾノギシギシには牙歯状の鋸歯が有ります。アレチギシギシやナガバギシギシには鋸歯が有りません。

(大変に優れた作品です。語感も良いしまぎれも少なく覚えやすいと思います)
(的場さんの作品がとても優れた連語呂ですので、どうしてもアレチギシギシとナガバギシギシも入れようと苦心さんたんの結果生まれたのが次作品ですがちょっと駄作っぽいでしょうか)
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 連想語呂合せ、「アレチギシギシ、ナガバギシギシ

 『
アレチ(ギシギシ)は痩せ地で、ナガバ(ギシギシ)は(ナ)滑らか』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
同じく果実を包む内ガク片(翼)の形ですが、アレチギシギシの翼部は他種に比べ、狭くなり痩せています。ナガバギシギシの翼部はギシギシと同じ程度の大きさで全縁です。先端もギシギシは尖りますがナガバの方が丸味を感じます。

(結構使えると思いますが、ちょっと駄ジャレっぽいのが・・・お許しを)
(実際のフィールドでは、エゾとアレチは紛れが少ないのですが、鋸歯の状態がギシギシかナガバギシギシか迷う個体に出くわします)
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 連想語呂合せ、「スイバ、ギシギシ類

 『
スイバむ(M)、ギシギシゆう(U)』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
葉の基部の形からの連想です。スイバは矢尻形で「M」に見えます。ギシギシ類はみな葉の基部が円形で「Uの字」に見えます。

(本来は、「ついばむ」「ギシギシ言う」というべき所ですが、成株でも、ロゼットでも使用できますし、二者択一式ではないので紛れにくいと思います)
(尚、ギシギシの場合に、葉の広い物では、基部がやや浅い心形の物も見られますが、その場合でもMよりはUに近いですので紛れません。 スイバとギシギシ類は葉の感じが良く似ています)
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 連想語呂合せ、「節に枝が1本出る笹類

 『
枝1本のササ類中、竹付くササ属かわ(皮)長い、笹付くササ属かわ(皮)短い』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)(少改変)

解説:
枝が節から1本出る笹類のうち、タケと付く属(スズダケ属・ヤダケ属・オオバヤダケ属)の稈鞘(皮)は節間より長いので稈の青さが皮に隠れて見えません。
一方ササと付く属(アズマザサ属・ササ属・スズザサ属)では皮が節間より短く稈の青さが裸出しています。

(偶然とは言え、うまいこと出来ておりますでしょう。竹と笹の丈と、稈鞘(皮)の長さとの対比が丁度合いますから、二者択一ですが紛れないのも有り難いと思います)
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 連想語呂合せ、「シロツメクサ、アカツメクサ

 『
白い歯、赤い毛』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
シロツメクサの小葉は無毛で鋸歯が有ります。アカツメクサの小葉は全縁で縁に毛があります。

(シロツメクサ、アカツメクサは、花が有ればどなたにも判る植物ですから、今更に連想語路合わせで覚えなくとも良いのですが、例えば葉1枚とか、小葉1片とか、花のないロゼットの時とか、いわゆる天の邪鬼な方々用の連語呂です)
(なんとも判りやすい覚えやすい紛れない、傑作・・・とばかり自画自賛、いざ、ロゼットオフにて、ご使用下さいませ)
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 連想語呂合せ、「ミヤマフユイチゴ、フユイチゴ

 『
葉・萼・刺の3つが高いミ(3)ヤマフユイチゴ』 (出典;日本植物友の会会誌、的場伸一さん)

解説:
ミヤマフユイチゴ:葉先尖る、萼片は花弁より長い、茎に刺有り、
フユイチゴ    :葉先鈍頭、萼片は花弁より短い、茎に刺無し(実際は小刺がまれに有る様です)、

(葉の形の違いは誰でもご存じの種類ですが、萼とか刺とかは二者択一式ですので紛れます、とても優秀な作品だと思います)
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 連想語呂合せ、「エンジュ3種(花編)、(エンジュ、イヌエンジュ、ハリエンジュ=ニセアカシア

 『
アカシアの雨に打たれて下がる花;犬は炎暑(イヌエンジュ)に尾を上げる』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)(少改変)

解説:
3種の内、ニセアカシア(ハリエンジュ)だけは総状花序が下垂しますが、エンジュ・イヌエンジュの花序は立ち上がっています。
エンジュは花序が枝分かれし円錐花序が立ち、イヌエンジュは総状花序で立ちます(尾に見立てました)。
花期はニセアカシアが5〜6月、エンジュ・イヌエンジュは7〜8月(炎暑)です。

(なつかしい流行歌に乗せて、雨と下がると花期とを連想しますので、覚えやすいと思います。ハリエンジュ=ニセアカシアと解っていないと使えない連語呂ですが)
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 連想語呂合せ、「ヒルガオ、コヒルガオ、セイヨウヒルガオ

 『
苞先尖るコ(小)ヒルガオ、苞先ヒル(広)いヒールガオ、萼と苞とが遠いセイヨウ』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)(少改変)

解説:
ヒルガオ類は苞葉で判別出来ます。苞葉の先端を比べると、コヒルガオは三角状で尖った形、ヒルガオでは丸味を感じます(頂部は微凸頂ですが)、セイヨウヒルガオは苞葉の位置が離れて付きます、茎葉に毛も多い。

(コヒルガオは花柄に翼状の稜が出ますが、時に微妙な物があり、二者択一方式で紛れますので、苞葉で判断する方が迷いません。尚、コヒルガオ・ヒルガオの、葉に依る判別は図鑑には良くありますがムリだと思います)
(何処にでも有るこれらの植物は、判別法がどの図鑑にも載っていて簡単なようですが、意外にはっきり特徴を記憶しきっておりませんでしたが、私はこれでスッキリいたしました、まだ覚えておられない方は実践してみて下さい。慣れると遠目で花の色でも判別できます。セイヨウヒルガオは余り見ませんね)
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 連想語呂合せ、「アメリカアサガオ、マルバアメリカアサガオ

 『
アメリカ、朝、顔をそる』 (出典;日本植物友の会会誌、的場伸一さん)

解説:
マルバアメリカ朝顔は、アメリカ朝顔の葉に切込みが無い物で、マルバアサガオとは別種です。
葉に切込みのないマルバアメリカ朝顔とマルバ朝顔とどう見分けるのか?。答えは萼片の先がアメリカ朝顔・マルバアメリカ朝顔では強く反り返るのですが、マルバ朝顔の萼片先は反り返らず巾が広い。アサガオも萼は反りません。

(短い連語呂ですが非常に優れた作品で、萼と葉形を見るだけで判断できます)
(私は、アメリカアサガオ、マルバアサガオ、マルバアメリカアサガオ、の関係を一気に記憶できました。的場さんに拍手)
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 連想語呂合せ、「コウヤボウキ、ナガバノコウヤボウキ

 『
今年生まれで(花のつく枝)まだ裸(冬芽)、コウヤボウキは毛に包まれる、
       前年生まれの(花のつく枝)ナガバノコウヤ、芽鱗重ねてもう毛は要らず
』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
コウヤボウキは葉が互生する本年枝の先に花が付き、冬芽は裸芽で毛に覆われます、又葉裏や枝など有毛です。ナガバノコウヤボウキは前年枝の葉が束生する中に花が付き、冬芽も長く鱗芽で無毛、葉裏や枝なども無毛です。

(特徴のある低木で山道で普通に良く見かけますが、花時、葉時、冬芽時、総てが含まれる欲張りな連語呂に成りました)
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 連想語呂合せ、「キジノオシダ、オオキジノオシダ

 『
大きな記事には絵(柄)が入る』 (出典;日本植物友の会会誌、的場伸一さん)

解説:
オオキジノオシダの下部羽片には柄が有るが、キジノオシダでは柄は不明確です。この類では関東では此の2種類が一般種ですが、下部の羽片の柄の有無で同定します。

(語呂合せと同定部分が見事に一致して、大変優れた作品ではないでしょうか。すぐに頭に入る気がいたします)
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 連想語呂合せ、「タイミンタチバナ

 『
大明タチバナ、国境沿いに万里の長城』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)(少改変)

解説:
タイミンタチバナの生葉では、葉の縁沿いに茶色の短腺点がレンガブロックを並べた様に存在します。ヤブコウジ科の葉は腺点のある物が多く、普通に見る物ではヤブコウジ、マンリョウ、カラタチバナ、等にも縁近くに茶色の腺点がありますが、いずれも鋸歯があり、タイミンタチバナの全縁と異なります。


(大明国、万里の長城、等からの連想です。残念ながら押し葉標本では判りにくくなります)
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 連想語呂合せ、「オドリコカグマ

 『
オドリコカグマ(踊り子)は展望良し、裂片周りが良く見える』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
葉身を上から見たときに、オドリコカグマは裂片と裂片との間も、羽軸と裂片の間も、間が空いて透けスケです。良く似たフモトカグマもクジャクフモトも裂片の周りにこんなに隙間が有りません。

(特急踊り子号からの連想です。オドリコカグマのソーラスはイシカグマやフモトカグマより更に内側に有るのが決め手でしょうか)(オドリコカグマは、レース編みの素敵なシダです)
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 連想語呂合せ、「ヤマイヌワラビ、イヌワラビ

 『
山イヌワラビは山形(葉身頂部)、イヌ(犬)ワラビは尾ッポ形』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)(少改変)

解説:
ヤマイヌワラビの葉身の頂部はなだらかに狭くなりますが、イヌワラビでは急に狭くなってやや尾状になります。加えて最下羽片の柄が、ヤマイヌワラビでは短く感じ、イヌワラビでは間が空いて柄が長くみえます。

(イヌワラビはシダ入門での第一関門です。身近にあり個体数が圧倒的に多いのにもかかわらず、形に変化が多いのと、裂片の形が此と言ってはっきりと明言できるような特徴が無く、大抵の方が覚えるまで時間が掛かっているようです)
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 連想語呂合せ、「チドメグサ属(チドメグサ、ノチドメ、オオチドメ、オオバチドメ、ヒメチドメ、ミヤマチドメ)」

 『
浅い傷にはチドメグサ、深い傷には(農血止め)ノチドメ、
     花柄(かへい)の高いオオチドメ、オオバチドメは別格で、
        足元やさしいヒメ(姫)チドメ、足元嶮しい(深山)ミヤマチドメ
』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)(少改変)

解説:
チドメグサ・オオチドメは葉の縁の切込みが浅く、ノチドメだけが中裂です。オオチドメは花が葉よりも高く出る特徴が有ります。オオバチドメは葉が全く大きく他の物と異なり紛れません。ヒメチドメとミヤマチドメは葉が一段と小さく(1p以下)、葉脚の開き方が結局連続して分けない場合も有りますが、うまく語呂になりましたので入れました。ヒメチドメは120度程(欠けた部分)に開脚していますがミヤマチドメの方が開き方は少ない様です。
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 連想語呂合せ、「ナツノハナワラビ、ナガホノナツノハナワラビ(芽出編)」

 『
裸ナツハナ(ナツノハナワラビ)、厚着はナガボ(ナガホノナツノハナワラビ)』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、田中一雄さん)
 『
裸で日焼けナツノハナ、厚着で青いナガボかな』 (出典;田中さん+Y、上を受けて発展させました)

解説:
ナツノハナワラビの芽出しは、ツルッとして鱗片や毛が全くありませんが、ナガボノナツノハナワラビの芽出しは純白の短い起毛のような鱗片に覆われて出てきて、葉が展開する頃まで着いています。 また、ナツノハナワラビの葉柄基部はピンクに色着きますが、ナガボノナツノハナワラビは緑色です。(田中一雄さん)

(裸葉と胞子葉とを互いに比較すれば違いは明瞭ですが、芽や葉柄だけでも違いは解ります;田中一雄さん)
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 連想語呂合せ、「イワガネソウ、イワガネゼンマイ(葉身編)」

 『
さよならチェンマイ(ゼンマイ) こんちはソウ』 (出典;有名なスタンダード、作者は?)

解説:
イワガネゼンマイは羽片の葉脈が交差せずに平行脈ですが、良く似たイワガネソウは脈が交差して網目を作ります。ゼンマイからチェンマイを連想し、訪れたチェンマイを去る旅情を連想し、ソウは付け足しです

(昔から知られて、シダ入門をすると必ず先輩に教わり誰もが知っている大変優れた作品ですが、どなたの作なのでしょうか知りたいですね) (『さよならゼンマイ こんちはソウ』と教わる例もありますが、どっちがどっちだったか前後が入れ替わる可能性があり紛れますので、上の方が良いですね) 
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 連想語呂合せ、「イワガネソウ、イワガネゼンマイ(芽出編)」

 『
主軸に白い毛状鱗片:イワガネソウでは有るソウですが
                イワガネゼンマイにはゼンゼンマイ(全然ない)
』 (出典;niftyFFIELDフォーラム;Y)
解説:
イワガネソウは芽出し時に主軸が白い鱗片に覆われていて、脈など見ずとも白鱗片の無いイワガネゼンマイと遠目でも区別できます。

(この特徴は知人の田中一雄さんに教わり、実際に両者を見比べ確認できましたので考えてみました)
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 連想語呂合せ、「ハルジオン、ヒメジョオン(蕾・花どき編)」

 『
お春さんは先に来て、頭を垂れて慎み深くお姫様の露払いをいたします
                                   (出典;千葉県の佐倉野草会会誌18号より)

解説:
ハルジオンはヒメジョオンより花期が早く、蕾時に頭花が下垂しているのがヒメジョオンとの違いです。

(ハルジオンとヒメジョオンは皆様すでに充分ご承知で解説の必要はないと思いますが、初心者が最初に覚える代表的な似た植物の対比です)
(ご紹介の連語呂は知人から戴いた佐倉野草会の機関誌「野草を訪ねて18」掲載文中の物で、ハルジオンとヒメジョオンの比較を上手に現しており、しかも優しげな言葉の運びと物語的響きがあり、初心者が覚えるにも適切で、大変優れた物だと感じましたので是非ご紹介いたしたくUPいたしました)
(此の様な優れた物が方々に多く有るのだと思います。多分地域地域の観察会などで口伝えにされているのでしょう。こういう物を集められたら楽しいと思うのです)
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 連想語呂合せ、「ハルジオン、ヒメジョオン(葉どき編)」

 『
お春さんは働き者で腕も太い、お姫様の腕は・・・細い』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
ヒメジョオンの葉柄は細く、ロゼット時でも葉柄の幅広いハルジオンと区別がつきます。

(前記、蕾・花どき編、と合わせて覚えれば、蕾時でも、蕾の立ち上がった花時でも、更に花の無い時でも、判ると思います)
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 連想語呂合せ、「ハルジオン、ヒメジョオン(蕾・花どき・葉どき編)」

 『
頭が詰まったお姫様、頭(こうべ)も垂れず、着物もはだけず(葉抱けず)
                                          (出典;niftyFSHIZENフォーラム07/1/29、都鳥(みやこどり)さん)

解説:
頭とは茎の髄のこと。ヒメジョオンの茎には髄が詰まっていますが、ハルジオンの茎は中空(空っぽ)です。ヒメジョオンの蕾(花の頃になるとハルジオンも上を向いたかな?)はハルジオンのように下を向かないので、「頭も垂れず」。また、「葉の根元が茎を抱くのはどっちだっけ?」と、いつも思うので、お姫様は「着物も”葉抱けず”」としました。図鑑的にはヒメジョオンの葉は茎を抱かないことになっています。しかし、ヒメジョオンの葉でも、多少は茎を抱いてる物もありますね。(都鳥(みやこどり)さん)
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 連想語呂合わせ、「オランダミミナグサ、ミミナグサ

 『
ミミナグサ、オランダといえばヘーシンク、色白・毛深で・首短い』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
オランダミミナグサは花柄が萼より短い。茎の色(ミミナグサ紫帯・オランダ緑→色白)、毛の量(ミミナグサ有り・オランダ多毛)なども違います。幼苗でもミミナグサは脈に紫帯感が有ると思います。

(柔道家は激しい稽古で耳がつぶれるそうです。(ミミナシ草)。アントン・ヘーシンクはオランダの柔道家でオリンピック無差別級 金メダリスト、外国人初のチャンピオン。日本選手は全く歯が立ちませんでしたね。尚、実際に毛深いかどうかは???)(^_^;)
同じ柔道家でやはり金メダリストの山下だって首短い・・・なんていいっこ無し)(^_^;)
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 連想語呂合せ、「クリ、クヌギ

 『
クリとクヌギを比ぶれば、殻にも鋸歯にもクリ実が詰まる』(出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説:
クリは葉の鋸歯の先にまで葉緑素が有り緑色。クヌギの葉辺は透明で鋸歯先も透明です。

(クリの実はイガ殻につつまれているところからの連想)(クリとクヌギは樹皮を比べれば紛れませんが、幼木や葉のみの場合は葉形が非常に良く似ています。葉の鋸歯先で見分ける方法を先輩方から教わっておりましたが、二者択一の覚え方は逆に入れ替わってしまった経験が有りましたので、考えました)
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 連想語呂合せ、「フラサバソウ

 1『
フラサバソウ、 葉の頂裂片2人分、けれども果実は1人分』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)
 2『
フラサバソウ、 葉っぱの厚みも2人分?、何故なら枝脈みえません 』 (Y;08/04/3)
解説:
フラサバソウの葉はイヌノフグリ、オオイヌノフグリ、タチイヌノフグリ、などと比べると、頂裂片が幅広い傾向が見られます。「フグリ」の由来は果実の2球形から来ていますが、和名に「フグリ」が付いていないフラサバソウは、果実も1球形ですので連想しました。

2は、新知見を得ての作です。オオイヌノフグリフグリでは葉を透かすと枝脈がはっきりみえますが、フラサバソウは葉が厚いのでしょうか枝脈はまったくみえません。

(和名フラサバソウは、奥山春樹が採集者2人(Franchet & Savatier)にちなみ命名したもので、これも2人の連想につなげました)
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 連想語呂合せ、「コメツブツメクサ、コメツブウマゴヤシ

 『
米粒ウマゴヤシの果実はウマガル(馬曲る)、米粒ツメ(爪)クサの果実は爪の中』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)(少改変)

解説:
ウマゴヤシ類の果実は裸出し巻くように曲がりますが、ツメクサ類の果実は枯れた花弁(爪状)に包まれたまま。

(語感が良く似て、それぞれの類では個体が多いコメツブツメクサとコメツブウマゴヤシです。どっちだったかな?の時のために)(コメツブツメクサ以外のツメクサ類でも同様に枯れた花弁に包まれます)
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 連想語呂合せ、「ウマゴヤシ属(ウマゴヤシ、コウマゴヤシ、コメツブウマゴヤシ)」

 『
標準ウマゴヤシは、果実と托葉にタテガミ有り、
  子ウマゴヤシは、子(果実)にタテガミ有り、
   米粒ウマゴヤシは、(小さいから?)果実にも托葉にもタテガミ無し
』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)(少改変)

解説:
ウマゴヤシの托葉は羽状裂(タテガミにたとえた)、ウマゴヤシとコウマゴヤシの果実には刺毛(タテガミにたとえた)が有ります。コメツブウマゴヤシは果実にも托葉にも刺や分裂が有りません。

(他にムラサキ(花紫)、モンツキ(葉模様)、キレハ(葉切れる)、トゲナシなどありますが、特徴ありますので除外)
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 連想語呂合わせ、「ハコベ、コハコベ」          

 『
コハコベは、種の突起も、雄しべも、茎も、・・・コココ(小少濃)』 (出典;niftyFFIELDフォーラム、Y)

解説、
良く似ているコハコベとミドリハコベ=ハコベ、ですが、種子円周の突起が低い、雄しべの数が少ない、茎の色に赤味が有ることが多い、などで区別できます。(どっちが?どっちだった?迷う時のために創りました)

(雄しべの数と茎色は変化が有りますが、同定の決め手は種子の突起の高さとなります)
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